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過去に戻りたい…のか?

過去に戻る。
ちょくちょく過去に戻ることを題材にした漫画やアニメを目にすることがある。小説にもあるのかもしれないが、私はそこまで小説のことを知らないのだが、多分あると思う。
それ程過去に戻れるというのは魅力的である場合が多い。
ここで魅力的であると断定しないのは、私がそこまで魅力的に感じていないからだ。
もしくはもう少し年を重ねたらあるいはそう思うこともあるかもしれないが、今は過去に戻ることを想像すると一言では言い表せない複雑な気持ちになる。

過去、若かりし時のことを頭に思い浮かべるとキラキラしたものを思い出すことが多いのだろう。フレッシュな気持ちに体、全てが輝いていて、まさに青春というような気持で一杯というようなことが頭の中に浮かび上がってくる。

という方が多いのではないだろうか。

しかし、本当にそのイメージ通り若かりし頃は輝いていただろうか。
文字通り全てが輝いている若かりし頃を過ごしている人などほんの一握りではなかろうか。

野暮な話ではあるが、若い時にも苦い思い出や、思い出すのも嫌な失敗談もあるのではないか。
詰まるところ、私がそういう経験が多かった為に先ほど書いた複雑な気持ちになるのだ。

勿論、苦い経験ばかりではない。
今でも付き合いのある友人達と馬鹿話に花を咲かせたこともあり、憧れのあの人に密な恋心を抱いていたこともあった。

だが、悲喜こもごもだったのだ。

それに今は今で、大変な思いもしながらなんとかここまでやってきたという気持ちもある。

それらが合わさって、混ざって、混濁し、一言で過去に戻りたいと言えない複雑な気持ちになるのだ。
そもそも人の過去が、一言で幸だ不幸だなどと言い表せられるほど単純なものではないのではないか。人の心が色々な色になり、移り変わるように、人の人生もその時々で色々な色になり移りかわるのではないだろうか。

それが一言で言い表せないからこそ、同じように私は過去に戻りたいと一言では言い表せないのだ。

しかし、そうは言ってもふとしたときに過去のことを思い出す。
あの時こうだったら、あの時こうしていれば。
それでもだけど、いやでもね、と。

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