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学生時代にバイトをしていたバーには色々な種類のビールがあった。 スキンヘッドに口髭をたく…
「ミナ。ミーナ?」 はっとしてミナが顔を上げると、ルカが心配そうに覗き込んでいた。 「あ…
「隣、いいかな?」 「あ、どうぞ...」 「ごめんね、いきなり話しかけちゃって。君のこと、…
「がんばったね、えらかったよ」 病院を出て、泣き止まない娘を仕方なく抱き上げる。 あぁ、…
「オバケレインコート」 「え?」 「私の中学時代のあだ名」 初めて話したあの日から、僕た…
「ただいま〜」 「おーおかえり。早かったな」 「だって話があるとか言うから。急いで帰って…
布団から今日も声が聞こえる。 「今日はずいぶん遅かったね」 「ちょっとやらなきゃいけないことがあって。週末だから忙しくてさ」 「...足が冷たいなぁ」 一応就寝時間が遅くなった理由をきちんと述べたのに、そんなことは聞いていないとばかりに不満が飛んできた。 「あぁ、さっき靴下脱いでから洗面所に行っちゃったからかも」 「寒いよ寒いよ」 「ごめんごめん」 なおも続く不満の声に、少しはマシになるだろうかと布団の中で両足をもぞもぞとこすり合わせる。 「今日は、何してた
「ねぇ聞いて。わたし、予知夢を見たの」
薄暗い店内に、バタンと扉の音が響いた。 「いらっしゃいませ。あぁ先日の」
俺はあいつが嫌いだ。顔も見たくないほどに。
「ほら、旅の支度はできた?」
「もうやめておいたら?トーマ」 「ほっといてくれよレム。俺たちから唯一の楽しみを奪う気か…
あぁ、また来たか。 僕はため息をつく。 最近来ないと思ったら、久しぶりの大波で来やがった。…
そんなメッセージをカウンター内でそっと送って、ちょっと胸をなでおろす。 しかし、なんで俺がこんな役回りをせにゃならんのか。 正直言うと誰でもウェルカムなくらい今日は店も空いていて、できれば一人でも来てくれた方がこちらとしてはありがたいのではあるが。 いや、でもこれは、さすがにねぇ。 そして想像通り、カウンターでは二人の女性が言葉を交わし始めた。 夜も深くなって、最後に一人残っていたお客様を送り出し、カウンターのバッシングをしているとカランと店のドアが鳴る。 「あれ、マス