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膀胱水圧拡張術をしました 3【手術体験談】

膀胱水圧拡張術という手術をしました。頻尿を改善するため&病変がないかどうかを確認するための手術です。

ここでは手術当日の体験談を記しておきたいと思います。膀胱水圧拡張術をしました 2 【入院時の様子】の内容と重複する部分があります。

この記事は医療専門者ではない一般人の体験談です。記事の中に出てくる手術を勧める意図はありません。


手術日(入院2日目)

7:00 回診
8:00 シャワー、手術着に着替え
10:00〜11:00 手術
13:30 麻酔が切れ始めるのを感じる
14:15 絶食解禁 野菜ジュースを少し摂取
14:30 抗生物質の点滴スタート
15:00 膝を立てられるようになる
15:40 横を向けるようになる
16:00 軽食を摂取
17:00 ほぼ完全に麻酔が切れる(絶対安静は翌朝まで継続)
17:30 回診
18:00 入院食、抗生物質&痛み止め服用

朝から先生たちの回診があり、手術前の最終確認が行われます。私はここで、入院直前に細菌性の膀胱炎にかかったこと、現在の症状などについて報告をしました。

10時〜11時の間に手術が始まるということで、それまでシャワーや手術着への着替えを終えておきました。下半身麻酔によるエコノミー症候群が心配されるため、医療用の着圧ソックスも履きます。
準備ができたら他にやることもないので、パソコンやスマホをいじったりしながら時間を潰しました。

手術

手術は10時頃に始まり、11時頃に終わりました。11:15には病室に戻っており、1時間程度のとてもスムーズな手術でした。

下半身麻酔

背中に細い注射針を刺して局所麻酔を注入する麻酔です。痛いんだろうな…とかなり構えていましたが、そこまで痛いものでもなくホッとしました。横向きで足を抱えて丸めた背中に打ってもらうのですが、不思議なもので、このときに足を曲げていた感覚が麻酔が切れるまでずっと残りました。足が伸びているのに曲がっている感覚。これが術後の私を苦しめることになります。

睡眠麻酔

通常であれば、点滴で睡眠薬を入れてもらい眠った状態で手術を受ける人がほとんどらしいです。が、私は手術中の様子も観察したかったので、「起きていたい」と要望。少しだけ麻酔薬を効かせつつも覚醒した状態で手術を受けられました。
おかげで自分の膀胱内の映像なども見ることができ、大変興味深い経験ができました。しかし、ここで眠らなかったことが術後の私を最大限に苦しめることになります。

膀胱内の様子

膀胱に内視鏡が挿入され、膀胱内の映像が私の右側のモニターに映し出されました。円形の映像に映った膀胱壁は、血管が走ったピンク色の壁といった感じ。要所要所で写真を記録しているようで、リアルタイムの動画映像の横に、撮影された静止画像が連なります。

ずっと動画画面を見ていたところ、たくさんの赤い点々がふわりと膀胱内に浮き出してきて、次の瞬間その赤い丸たちが一斉に散ったの瞬間を目にしました。突然起きたダイナミックな出来事に「おお!」と興奮。きっと膀胱が拡張されて裂け目から出た血が周りの水に溶け込んだのでしょう。麻酔が効いていなかったら痛みに発狂していたに違いありません。
ただ本当に一瞬の出来事だったので、リアルな現象だったかどうかは怪しいです。私の頭の中で勝手にそのような映像に置き換えている可能性は否定できません。
何はともあれ拡張作業は無事に終わり、モニターには水圧で拡張された後の赤みがかった膀胱が映し出されていました。

先生からのお言葉

意識がはっきりしていたこともあり、術後すぐに先生から詳細を聞くことができました。「膀胱がとても小さく、拡張はしたけれども250〜300ml程度にしか広がらなかった」とのことです。
さすが筋金入りの頻尿。頻尿 is my life。ストレッチャーの上でその事実を甘受します。

術後すぐの状態

点滴、尿道カテーテル、おむつ、フットポンプを着けた状態で病室に運ばれます。この日はベッドに横になったまま、翌朝まで安静状態を保つ必要があります。下半身麻酔の影響で立ち上がると頭痛が出やすくなるためだそうです。
フットポンプはエコノミー症候群を防ぐための装置で、下半身麻酔が効いているため全く装着感がありません。ダースベーダーの呼吸音のような「シュコーシュコー」という音がうるさいなと思っていたら、フットポンプの音でした。麻酔が切れ始めてからようやくフットポンプの存在に気づきました。

術後の苦痛 1(麻酔が切れる前)

麻酔がガンギマリしている間、動きたいのに動けないことが苦痛でした。むずむず脚症候群の超絶酷いバージョンです。これが本当に苦痛で苦痛で…。そんな状態が2時間は続いたと思います。全然眠ることができず、手術中に睡眠麻酔を入れてもらわなかったことを死ぬほど後悔しました。(まあ、そのおかげで興味深い体験ができたわけですが)
足が曲がっている感覚も嫌でした。看護師さんに「足を真っ直ぐにしてください」と頼んで「真っ直ぐですよ」と言われたときは驚愕しました。上記に述べたように、麻酔時の体勢の感覚が残っているのだとか。
また、足の感覚がないのに下半身に冷えを感じていました。こちらも看護師さんに「足が寒いです」と訴えましたが「あったかいですよ」と言われ再び驚愕。そのうち全身が寒くなってきたので、電気毛布をかけてもらいました。
とにかく感覚と現実がかけ離れているのが辛かったです。自由が効く上半身を左右にひねって辛さを紛らわせていました。腰のひねりが下半身以下に伝わらず、ちくわをうねらせているような変な感じでした。バタバタとうるさかったので、少し高かったけど一人部屋で良かったと心底思いました。全然安静でいられなかった…。
幸い2時間ほど苦しんだあとにようやくボーッとし始め、浅い眠りにつくことができました。

絶食明け

術後2時間、浅い眠りに入りかけると同時に、徐々に麻酔が切れ始めました。足に定期的な圧を感じるようになり、この辺りでフットポンプが装着されていることに気が付きます。
術後3時間、まだ足の感覚は鈍いものの、ここで絶食解禁の許可をもらうことができました。とはいえ、いきなりガツガツ食べていいというものではありません。下半身麻酔が効いている状態では内臓も動かなくなり、戻しやすくなるそうで、病院側も慎重です。
冷蔵庫に用意しておいた野菜ジュースを看護師さんに取ってもらい、1口飲んでみました。30分ほど様子を見て問題ないことが分かると「大丈夫そうですね」とお墨付きをもらいました。胃腸の働きを確認するために、おならが出たかどうかも聞かれます。
お墨付きをもらったことをいいことに、このあと夕食までの間にチキンサラダと煎餅を平らげました。おやつの準備、重要です

術後の苦痛 2(麻酔が切れた後)

術後4時間ほどで足を曲げられるようになり、6時間が経過した頃には完全に足の感覚は戻りました。しかし、この日はベッドの上で絶対安静。麻酔の影響で頭痛が出ないように横になったまま過ごさなくてはいけません。すでにこのとき、若干頭痛が出ていました。

そして、ここからは果てしない尿意との戦いです。痛みもありますが、残尿感がすごい。ずっとずーーーっと下腹部に違和感がある状態でした。これもかなり苦痛でした。

回診

執刀してくださった先生たちが様子を見に来てくれます。膀胱の痛みと激しい尿意があることを伝えましたが、耐えるしかないことを悟ります。この尿意に関しては翌日カテーテルを抜いたあとに地獄が待っています。詳細は膀胱水圧拡張術をしました 2 【入院時の様子】の「入院3日目」の段落に書き留めました。

夕食&薬

夕食は消化に良い食事を出していただきました。確か、ロールパンと牛乳とゼリーだったような…。量が少なかったので、間食をしていて丁度良かったです。
食事のときはベッドの背もたれを立ち上げてもらい、座った状態で食事をしました。多少体を起こす程度であれば問題ないようです。
夕食後は処方された薬を服用します。この日出たのは、抗生物質、痛み止め、胃薬です。抗生物質は術後の細菌感染を予防するため、この日から7日間飲む必要があります。痛み止めは痛みが軽ければ飲まなくても良いものですが、膀胱部に痛みがあったのと軽い頭痛も発症していたため服用しました。胃薬は痛み止めとセットで胃が荒れるのを防ぐために服用します。

歯磨きは看護師さんの助けを借り、ベッドの上で行いました。本当に何から何まで看護師さんのお世話になりっぱなしです。

暇つぶし

さて、夕食も歯磨きも終わると、いよいよやることがありません。テレビを見るか、スマホをいじるか、寝るか。
そうそう、手術前の準備でおやつの準備以外にも大事なことがありました。スマホや本などの暇つぶしグッズをベッドから手に届く範囲に用意しておくことです。
私は充電器に繋いだ状態のスマホを用意しておきました。睡眠導入によろしくないと言われるブルーライトを浴びながら、その日は眠りにつきました。

ということで、以上が手術当日の体験談となります。もう一度手術を受けることになったら、次は麻酔薬で眠らせてもらおうと思いました。


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