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無計画(2)

無計画を信条とする君は、でも、「高速代がもったいない」といって下道をノロノロ進み、夜のうちにたどりつけた場所は、半島の入口が精一杯だった。

何もない第一種住居地域の、合宿所のようなホテルに車を突っ込んだ後、朝までやってるラーメン屋でビールを開ける君の隣で、私は、段々と不機嫌になる。

いつもこうなのだ。無計画な生き方が好きな君が好きで、だから私も無計画な恋愛を装い、その実、計画どおりに進まない2人の関係にいつもイラついている。

合宿所のようなホテルに戻り、超低反発なベッドでいつもの深夜番組を見ながら、いつの間にかフテ寝していた。何もなかった夜が、この夏の思い出だ。

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