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今年の6本目

今年の6本目、ジョゼと虎と魚たち、観ました。

車椅子を押す側だった恒夫が挫折を知り、押される側のジョゼが翼を得て恒夫の背中を押す。原作にないストーリーは、私たちが求める障害者像なのでしょう。

障害者は、ただ支えられる存在ではない。それはそうだけど、純愛の装置としての障害に感動の装置としての障害を重ねる手法は、端的にいって、あざとい。

原作から36年。この間、この国は、障害者権利条約を批准し、障害者総合支援法も障害者差別解消法も作り、分かりやすい虎は、世の中に少なくなりました。

その代わり、障害者に「障害の克服」を求め、「頑張る障害者」の姿から感動やカタルシスを得る、悪気はなくてもタチの悪い虎がのさばっています。

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