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抗がん剤の副反応

抗がん剤の副反応の中に食欲不振があります。そのせいなのか、あるいは単にここの病院食のまずさのせいなのか、三度の食事は、Eさんには辛い時間です。

食事が運ばれて来る。食器のふたを開ける。「こりゃ食えん」と顔をしかめてふたを閉める。その繰り返しがEさんの入院生活の中で一番のストレスです。

でも、今晩開けた小鉢の中には鮮やかに炊かれた南京がありました。「そうか、今日は、冬至だったか」。一陽来復。この日を境に春へと向かう日。

良い出来事のなかった1年を思い、でも、今晩の献立に「ゆっくりでも、回復に向かって進んでいこう」という励ましをもらえた気がして、箸を付けました。


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