長島(1)
長島は、今は邑久長島大橋によって本土と結ばれ、療養所の入居者も、そして私たちも、バスで自由にこの島に渡れます。橋の長さは、たったの135メートル。
「でも、この橋が架かる前、療養の名の下にこの島に強制隔離されたハンセン病患者たちにとって、長島は、絶海の孤島とも思える場所だったんだろうなぁ」。
非人道的な隔離政策の歴史。患者たちの絶望と孤独が風景にまで染み付いた島。そんなイメージを抱いてやって来た旅人は、でも、やや肩透かしを食らいます。
長島の浜には瀬戸内の波が静かに打ち寄せ、のどか過ぎる沖には、漁船が滑っていました。夏の日差しの下で、島全体が明るく、過度な安寧の中にありました。
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