プレゼンテーションの教科書 #3 出世の条件の一つ「プレゼンテーション・テクニック」
日本人のコミュニケーション文化
アメリカではプレゼンテーション・テクニックが、立身出世の条件の一つと言われているほど、プレゼンテーションスキルは重要視されています。一方「以心伝心」が大切だという考えが強い日本では、自分の能力を売り込むことは、従来あまりなじみがありまえんでした。また、学校教育でもプレゼンテーション関連の授業を行うことはまれです。
しかし、自分の考えを主張し、相手に納得させることは、今日のような情報化時代を迎え、どのような分野においても必要になってきています。それは単に個人の仕事の場でだけでなく、企業や公共団体などの組織においても必要なことです。
転職、合併など人材の流動化により違う会社、違うタイプの人間と共に働くことが増えている。国際化で国籍や文化の違いを乗り越えて仕事を進めるべき機会も多くなってきています。ところが大抵の日本人はそういう訓練をしてきていないのが現状です。だから意識して取り組む人、鍛える努力をする人の能力が突出する可能性が高いと言えます。
ビジネスとコミュニケーションは、全く無意識ではできません。話の中身だけでなく、表情、声、しぐさ、アイコンタクトなど全てを含むボディランゲージが必要です。
自分をどう見せるか印象をコントロールすることも必要であり(心理学用語でインプレッシコンマネジメント)、話の内容ももちろん、表現できない実力はないも同じです。コミュニケーション能力はビジネスの世界では必要不可欠です。つまり、社員の持つ「折衝力」「プレゼン力」が企業の評価をも左右する時代なのです。いかに相手にいかに分かりやすく伝えるかが、ビジネスでは最も重要になります。
コミュニケーションスキルはネゴシエーション(交渉)、プレゼンテーション(提案)、カスタマーリレーション(顧客折衝)などから成り立っていますが、そのどれもがビジネスに欠かせないものです。
情報化時代への対応
ヒユーマンスキルの第一位が、コミュニケーション能力といって過言ではありません。ビジネスがひとりでできないものである以上、コミュニケーションは不可欠です。メール交換、会議、クライアント訪問、プレゼンテーション、企画書や報告書の作成、資料提出、アフターファイブの付き合いなど、これら全てがコミュニケーションで成り立っているのです。
(1)パソコンを仕事に活かす力(リテラシー)
企業が求めているのは提案型社員であり、そのために何を表現するのか=自己表現ツールが必要です。情報リテラシーとは、ビジネスに必要な情報を入手・加工・分析し、コミュニケーシヨンができ、実務に活かせる情報活用能力、デジタル情報の使いこなし力です。情報収集能力、情報整理能力と問題解決能力など、情報活用を実践するには、新しいビジネス能力と情報リテラシーが必要です。
(2)リテラシーの多様化
基本リテラシーだけでなく、「リテラシー」の意味が拡張されつつあります。
①メディアリテラシー:デジタルメディアを使ったコミュニケーション作法、振る舞い
メディア操作スキル
モバイル(携帯電話、PHS等)を使えるか
パソコンを使用できるか
外部のDBにアクセスできるか
電子メールが使えるか
デジタルプレゼンテーションができるか
インターネットをサーフィンできるか
ホームページを立ち上げられるか
②情報リテラシー:=コンピュータ操作スキルではない。情報の生成、収集、加工、編集等。メディアの情報に厨されない。
③異文化適応リテラシー:お互いの見方、考え方の差異を尊重した上で交渉できるか
ビジネスリテラシー
コミュニケーション能力
ディべート能力
ドキュメンテーション能力
プレゼンテーション能力
編集能力
意思決定能力
④マネジメントリテラシー:問題を自分で設定したり、新たな構想をたててそれを運営できるか
コラボレーション
プロデューシング
意味生成カ
⑤インターネット時代に求められる能力
リテラシー(読み書きの能力)とオペレーショナリティ(操作性)
コンビレーション(編集、編纂)とリトリバール(検索)
コンポジション(作文、作曲)とプレゼンテーション(表現、発表)
「説得」から「共感・共鳴・共振」へ
コミュニケーション(伝達、通信)とコラボレーション(協力、協調、協議)
オンメディア・コミュニケーション
コミュニケーション能力5要素
自己認識
自分は何者なのか?自分のことをどう見ているのか?自分には何ができ、何に価値をおいて何を信じているのだろうか?しっかりした自己像、特にプラスの自己像を持っていることが、他の人とのコミュニケーションに大きな影響を与えます。そして、何よりも自己像の自己認知と他人認知にズレがないことが重要です。
積極的傾聴
ただ単に"コトパ"を聞くのではなく、相手の言葉の背景にある意味、相手の感情を積極的に聴くことが大切です。積極的傾聴は、対人関係をつくり、深めていくのに最も基本的な行為です。
自己開示
自己に関する考えや気持ちを偽らずに打ち明けることが、健康な人格を持つことにつながります。自己の心を開くことは自己を積極的に活かすことであり、同時に他人の心を闘いていくことでもあります。この2つは、相互的な関係にあります。
効果的表現
表現しないで分かってもらいたいと思うのは、わがままであり、甘えにすぎません。効果的な伝え手とは、必要なことをわかりやすく、正確に、感じよく表現できる人を指します。
感情コントロール
効果的なコミュニケーションは、単なるコトバのやりとりではなく、感情に応えることを中心にしなければなりません。たとえ怒りの感情でも、心の中にただ単に抑え込んでしまうのは好ましくありません。ただし、その感情は爆発させるものでもなく、率直な気持ちを冷静に表現できることが大切です。相手の感情に耳を傾け、自分自身の感情を建設的に表現していく努力が対人関係をつくり、心の交流を深め、共感の域にまで達することにつながります。
以上の5要素が調和・統合されて初めて、効果的コミュニケーションが維持され、豊かな人間関係がつくられ、さらに深められます。
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