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コミュニケーションの教科書 #2 ポイントを抑えよう!行き違いの予防策。コミュニケーションのポイント



コミュニケーションの「送り手」と「受け手」


 コミュニケーションの障害である。行き違いの原因と、その予防策について考えていきます。この場合のコミュニケーションの障害(行き違い)とは、「送り手」「受け手」の間で、「送り手」の思いが正確に伝わらない状況を指します。

前回の記事はこちら


自分の心の世界を意識化する


 先ず、伝えたい自分の思いがある。それがどの程度「送り手」の中に意識化されているかどうかが問題となります。

(1)自覚できていないために起こる障害


  1. 「知」の領域
     無意識に自分の価値観で、相手を計るコミュニケーションは行き違いが生じるだけでなく、相手の尊厳や心を傷つけてしまいます。

  2. 「情」の領域
     その場に至るまでの気分が、今ここでのコミュニケーションに影響します。

  3. 「意」の領域
     「情」がしばしぱ「意」の正確な伝達を妨げます。自分の感情、考え、意図などを自覚しないと、その表現はとんでもないものになり、相手に誤解されたり、感情的なしこりを残したりします。

(2)なぜ自覚が困難なのか


 「知」の領域では、知らない、とか思い出せない、という状態は、比較的自覚しやすいものです。問題は、「知」の中の価値観や「情」や「意」の領域です。幼児期には情意は比較的ストレートに表現されていました。成長するにつれ、養育者や保護者にもう大きいのだから泣かない、わがままを言ってはいけませんと言われ、禁止度が高くなります。子供は周囲の大人たちから嫌われることを恐れ、次第に、「情」「意」を押し殺す体験が多くなってきます。この体験が積み重なると、自分の中にある感情や意図を気づかぬようになるし、気づくことを恐れるようになる。

(3)自覚するには


 1日1度、その日の出来事や、人との会話を思い出し、その時自分の中にあった感情や、無意識に従つた基準などを繰り返すことが必要です。

記号化 メッセージ構成の適切さ


 思いを言葉や文字、図や絵、視線や表情で伝えることを記号化と言います。コミュニケーションの行き違いは、この記号化が上手くいかなかった場合に生じます。

(1)記号の性質から来る障害


 記号は言語的記号と非言語的記号に分けられます。言語的記号の問題は、言語は物事の抽象化であるため、個人にとって、それぞれ特別のイメージ、使い方のパターンがあり、ニュアンスがまちまちです。属している集団、年代、地方などでも違いが大きいです。言語そのものが誤解を生みやすい性質を持つので、注意が必要です。

 非言語記号の問題は個人や文化によつて異なります。欧米人は非言語記号を日本人より多く用います。日本人は以心伝心、一を聞いて十を知るという言葉もあるように、非言語はおろか言語記号を使わなくてもコミユニケーションができる土壌が長年の同一民族国家として出来あがっています。

 ここでは便宜上、言語的記号、非言語的記号と分けましたが、通常我々がコミュニケーションを行うときは、どちらも同時に使っていることが多いものです。しかし目は口ほどにものを言いと言われるように非言語的記号は言語的記号より正直に心の動きを伝えることが多く、言語的記号はそれに対し、いろいろ取り繕うことができます。お客様とお話しするとき、ニコニコと明るい顔で言うのと、おどおどと伏目がちで言うのでは伝わる内容が違ってきます。この非言語的記号の行き違いは、自分の思いを自覚し、それを出来るだけ正直に言語化することで、かなり避けられることが多いです。しかし「口で笑って、心で泣いて」という辛いコミュニケーションもまた、避けられない場合があるのも事実です。

(2)記号化を歪める心の動き


 思いを言語などの記号で他者に発信する時、思いの全てを正直にそのまま記号化していません。そこには感情や価値観、物事に対する構えや態度のカも作用するからです。また、心理学的に考えると、程度の差はありますが、我々人間に共通する心理的法則があります。

→ハロー効果

→防御規制

  1. 抑圧:自分にとって嫌な経験や恥ずかしい経験を、記憶の奥に閉じ込める。

  2. 逃避:逃れるために、空想に浸ったり、病気になる

  3. 転移:過去の特定の人に対する感情を、現在よく似た人に向ける傾向

  4. 反動形成:本心とはまったく逆なことをする         '

  5. 合理化:自分にとって都合の悪いことを理由に、無理矢理こじつけて納得してしまうこと

  6. 同一化:自分の憧れの人と自分が同一人物であるかのようにふるまい、自分を高めようとする心理的傾向


(3)記号の組み合わせによるメッセージの構成

 記号をどのように構成すれぱ自分の言いたいことが相手に伝わるか、その努力が必要です。一般的には、自分の気持ちや意図を初めに表現し、その後に知的部分で理由付けをするのが、受け手には理解しやすいでしょう。

受け手側の要因


(1)受信段階

 受け手は送り手の発信したメッセージを受け取るわけですが、これは発信と違って見る・聞く・触るなどの感覚機能が使われます。ここで生じるコミュニケーションの行き違いは、発信されたメッセージに気づかないことから生じる。電話で柏手の表情が読めない場合、コミュニケーションの行き違いが生じやすいです。

(2)記号解読段階

 送り手が持ったものと同じ様な感情・価値観・態度などの心理的法則が受けての方にも働きます。私たちは相手の一言一句、一挙手一投足ごとに、価値判断や感情が動いています。受け手特有の障害として選択性的難聴が起こります。自分にとって不利なこと、嫌いなことは、開き取らないと言う現象が起こります。その結果メッセージに託された送り手の思いが正しく受け手に伝わりません。

 このように、コミュニケーシヨンの行き違いが起こるのは、送り手、受け手双方に問題があることが多いです。行き違いがあると、送り手は受け手のせいにし、受け手は送り手のせいにする傾向がありますが、これは双方の問題であることが多く、「お互い様」ということが出来ます。

具体的にコミュニケーション障害と克服法を紹介します。

コミュニケーション障害と克服策





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