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「旅」が「物語」になるには

長めの旅から戻った後に、

「行ってきた!楽しかった!また行きたい!」
「…で?なんだっけ?
これからどうしたらいい?」

って感じにならないかな。
旅の内容が長かったり深かったりすると特にさ。
その状態になる人って結構多いと思うんだ、
ちなみに私はよくなってるよ、それ。笑

帰ってきてすぐは勢いあってウズウズしてて、
あれやってこれやって〜なんて思いながらいるんだけど、
すぐにシューってしぼんできちゃうんだ。

でね、なんでそれになるのかが分かった。
「振り返り、落とし込み」の作業をしてないからなんだ。

私の場合、3ヶ月半の世界一周旅から戻ってきて、
怒涛の旅が頭の中で整理できなかった。
旅の中で日々それをやっていたらよかったんだけど、
忙しくってなかなかそうもいかない。

で、帰ってきてからは記憶もごちゃ混ぜで、
どこがなにでなんだっけ?
私、何やってたんだろうってなるんだよね。

そんな状況が、
旅を文章でまとめ出したら急に変化した。
あんまり記憶に残ってないと思っていた寄港地でも、
思い返しながら整理していくと凄く印象深かったことを発見したり。

旅が自分にとって何だったのか、
どの国のどの部分から何を受け取ったのか、
そういったことが分かり始めてくる。

そしてそれが、自分の中に悶々と溜まっていた考えや、
自分的人生哲学みたいな部分とリンクしてきて…
そうやってできたのが「Peace on the Boat trip」なんだ。
そう、今ちょうど連載させてもらっている記事ね。

だけど。
難しいね、万人に伝わるようにするってのはさ。
分かってるんだ…WEBで伝えるには、
写真いっぱいで、
文字数も多すぎないで、
わかりやすくて、
旅先の情報いっぱい入れて、
できるだけ偏らないで、ってさ。

WEBは本とはまた違う環境だから、
最初は本で出そうと思っていたやり方からは少し変わらざるを得ない。
そしてそれに近づけるべく、
だいぶ努力と譲歩してきたつもりではあるんだけど…

人から少し言われたことがあって。
それについてさっきからずっと考えてるんだ。

私はどういうことがやりたいんだろう。
旅先の情報を伝えたかっただけなのか?
そうじゃない。
それだけならWEBでそういったサイトはいっぱいある。

じゃあ自分の考え方を出したかっただけなのか?
いや、それはあまりに個人的だし、
興味ない人にとっては全く読む気がしないだろう。

「旅」という非日常的な道を見物して歩きながら、
「人生」や「世界」についてあれやこれやと想い巡らせている私…
そんな風な内容のちょっとした物語にしたかったんだよね。
お話の中で、私と一緒に旅しているような感覚で、
隣で私が喋りかけているように読んでもらえたらって、
そう思っているんだ。

だけどこれって「私」が中心のスタイルだから、
万人受けはきっとしないだろうね。
特に若い子にでも分かりやすく読めるように、
語り言葉の若者ノリで書いてるからそれが嫌な人もいるだろう。

でもそれでいいと思う。
私の旅は、私の世界でしかないから。
万人受けする無難なものである必要はない。

前に、たまたま見たテレビの番組で、
蜷川実花の特集をやってたんだ。
彼女は旅先で撮ったものを写真集にしたりしていて。
だけどそこで選ぶ写真は、
別に旅先がどの国であろうと関係ない物も多くって、
花のアップや水溜りや、
どこにでもあるような物が結構あったりするらしい。

旅先そのものだけが重要なのではなくって、
そこで出会った感情や気づきや感性を大切にしてるんだなって。
だから結局、
彼女が旅の写真集に表現しているものは旅ではなくて、
「その場所に来たことで感じ得れた彼女自身」なんだ。

私はその時、あ、この人と同じだって思った。
ということはやっぱり、
私は「記録」や「宣伝」がしたいんでなくて、
「アーティスト」でありたいし「作品」でありたいんだ。

ただ、自分一人の力ではなく、
人に支えられて出来ているこの連載ではある。
だから、
世の中の「需要」に近寄れるところまで近寄るけど、
妥協できない部分はできないって、
そういうスタンスでこれからもいこうと思うんだ。

…そんなことを再確認しつつ、
連載をしっかりと続けていきたいと決意を新たにした今日。
何が言いたかったのかというと、
きっと今日の頭の中を整理し直したかったんだね、私。

ということで、長々した独り言でした。
「Peace on the Boat trip」
noteでの連載はまだまだ続きます!

#旅 #世界一周 #物語 #note

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