中毒性のある映画。
やめよう。もうやめよう。
もう2度とやらないと決めたのに。
もう足を洗ったのに・・・。
私はまた、
夜更かしの生活に手を染めた。w
男に振り回されるなんて、以ての外だが、
映画に振り回されるなら、喜んでとばかりに
私の生活を侵食している。
キッチンとお風呂には防水のDVDプレイヤーを置き、
だいたい海外ドラマや、邦画、吹き替えのあるもので
作業しながら見れるものを選び、
ソファーでは、
じっくり観るものを優先的に選んで観るようにしている。
映画館では、
大スクリーンで見た方が迫力のあるものや、専門性の高いものや、
珍しいもの。そして話題作を満遍なく網羅しているつもりだ。
こんな生活を送る日々の中でも、
なるべく手を出さないようにしているものがあった。
もちろん、海外ドラマの中毒性もヤバイ・・・。
最近は、(グッドワイフ/グッドファイ/エレメンタリー・・・などこの数ヶ月は随分とハマっていた。)
しかし、も〜っとヤバイものというのがある。
随分と研究熱心というより、
オタク気質な私はハマってしまうと、
とことんやってしまう・・・。
世間はパルムドールをとった、
ポン・ジュノへの賞賛が続く中、
私はふと思い出したように、
キム・ギドクに手を出してしまった。
なぜか今私の中では
密かに韓国映画ブームが起きているw
今までさほど韓国映画は見てこなかった。
もちろん、話題になった「猟奇的な彼女」や「頭の中の消しゴム?」
的なものは観てきたが、
なんとなくワンパターンで毎回涙はするものの、
特に私の心の琴線にさほど触れることもなく、
思い出すことも特になかった。
しかし、1つだけ、
ずっとずっと心の中で蠢いていた映画があった。
それが、
キム・ギドクの「嘆きのピエタ」だった。
思い出すだけで、震えてしまう・・・。w
日本で上映された時に、
金獅子賞受賞作品(ヴェネチア国際)として少し話題になっていた。
この賞を受賞した作品を私は好んで観ていたので、
何の予備知識もないまま、
一人レイトショーで観に行くことにした。
出だし30分。
すでに逃げ出したくなっている。
迷っている間に、
スクリーン上ではどんどん繰り広げられる展開に戸惑いつつ、
よしっ!出よう。
チケット代はもったいないけど、これ以上観るのは危険だ。
と席を立とうとするが、立ち上がれない。
私は生まれて初めて映画館で腰を抜かしたのだ。
忘れもしない。暑い夏の夜だった。
映画館には、私とカップルが1組、男性客が2、3人。
そんな映画館の中で、すっかり私は自分を失いかけている。
もう、これは宿命なのだと思い(大げさw)
そのまま映画を見続けることにした。
これほどまでに、
人間がただの肉の塊という単純なものではないと思わせ、
人間の感情の機微がいかに複雑であるのかというのを痛いほど
思い知らされた。
吐きたくなる映画ではあったが、
これほど、心に深く残る映画というのはその当時の私には新鮮だった。
恐怖の向こう側を追体験した気がする。
キム・ギドクの映画には必ず、
「救い」というのがテーマにある。
それは一方向からしか世界や世間や、
人を見ているとわからない。
だからこそ、恐怖の向こう側を覗きたくなる。
だけど怖がりな私は、
彼の助監督を務めた作品を挟みながら見ている。w
それもまたいいのでいつか紹介します。
精神的にも体力的にも調子がいい時に見て欲しい映画です。
そして、私の手元にまた「嘆きのピエタ」がある。
あの夏以来観ようとは思わなかったが、
今夜あたり・・・。
うう・・・怖いなぁ・・・。
それでは、、またの投稿で〜♪