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#98 今までの価値観をがらっと変えてくれた本『年収90万でハッピーライフ』

突然ですが、人生感を変えてしまうような本と出合った経験はあるでしょうか?

私の場合、何冊か思い浮かぶのですが今回はその中の一冊、大原扁理さんの『年収90万でハッピーライフ』をご紹介します。

この本の中で大原さんは、月7万円程の生活費で週休5日の隠居生活を送り、ハッピーに暮らしています。

この「なるべく働かない生き方」「少ない所得でも満ち足りた生活」というものが、本書を初めて読んだ当時前の私には本当に衝撃でした。

それまでの私は「一生懸命働いて賃金を得ることがまっとうな生き方である」「お金があれば、選択肢が増えて幸せになれる」となんの疑いもなく思っていました。

そんな考え方を根底から覆してしまうような説得力があるのが、この本。

著者は、大学も出ておらず、就職もしたことがなく、あまり働いていない。世間では当然とされる生き方には、ことごとく引っかからない自身の生き方を「これはこれで幸せだ」といいます。

 だって、当然といえば当然なんです。何が幸せと思うかは人によって全然違うんですから。わたしみたいに2万円台のアパートに住んでても幸せと思える人もいれば、苦しい人もいるし、臆ションに住んでブイブイいわすのが幸せっていう人もいれば、それがしんどい人もいる。  じゃあ、どんな場合にも当てはまる、いちばん大切なことって何でしょうか?それは、「どうすれば自分が幸せか?」を、他の誰でもなく、自分自身が知っていることじゃないかな。

大原扁理著『年収90万円でハッピーライフ』株式会社 筑摩文庫(2019年)

「良い人生」なんて聞くと、それは何年も先のことのように思えるけれど、10年後は10年後にいきなりやってくるのではなく、今まさにこの時の、1分1秒の小さな取捨選択を積み重ねた先にやってきます。

著者が結果的にたどりついた隠居生活を「幸せだ」と感じるのは、自分で選び取って作った毎日だから。

この部分は、非常に刺さりましたね。

自分の今までの生き方は、本当に自分で選びとったものだったか?

みんなが進学しているから進学して、みんなが就職しているから就職する。
結婚や出産に関しては、自分で望んだことだとはっきり思えるけれど、世間一般に言われる「30歳までに…」といったリミットは、常に頭の中にあった気がします。

もし、ゼロベースで人生を考えたら、自分はどのように生きたいのか?
“「どうすれば自分が幸せか?」”
を一般論と完全に切り離して考えてみるきっかけとなってくれました。


大原さんの作品は、くだけた語り口で、クスッと笑ってしまう部分も多く、するすると読めます。私は勝手に独特の文体を “大原節”と呼んでいます。

ですが、作品の中で扱っているテーマは普遍的で奥が深く、鋭い指摘が多いのが特長です。
そのアンバランスさが、何とも言えずクセになるんですよね。

興味を持ってくださった方は、ぜひ「年収90万でハッピーライフ」を実際に手に取ってみてください。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

※より詳しい解説記事はこちら↓↓






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