「恩返し」ができないなら「恩送り」を
お彼岸ということもり、祖母のお墓参りに行ってきました。
祖母が亡くなったのは一昨年のこと。
97歳の大往生で、亡くなり方も老衰に近かったため「悲しい」というよりは「今までありがとう」「 お疲れ様でした」という気持ちで送り出しました。
90歳になる前から施設で暮らしていて、コロナによる面会制限でここ数年はほとんど会えていなかったのが、一番の心残りです。
御線香をあげ、墓石に手を合わせながら、祖母と過ごした時間に思いを馳せます。
思い起こされるのは、幼い頃の記憶ばかり。
遊びに行くと、いつも穏やかな笑顔で迎え入れてくれました。
近くの空き地に連れて行ってくれたり、
ご飯を用意してくれたり、
一緒にお風呂に入ったり、
内孫である従妹たちを含めて、4人の子供の面倒を一度に見るのはさぞ大変だったろうけど、祖母がイライラしている様子や理不尽に怒っている記憶は一切ありません。
当たり前のように受け入れてきた祖母の行為ですが、自分が子どもを持ったことで「当たり前ではない、すごいことだった」と気づかされ、改めて感謝しました。
そもそも祖母がいなかったら、私は今ここに存在すらしていません。
存命のころに、孝行らしい孝行はできませんでした。
もうこの世にはいない祖母に、「恩返し」ができるとしたら、それは「恩送り」をすることぐらいだと思います。
恩送り:誰かから受けた恩を直接その人ではなく、別の人に送ること。
私の場合その対象はまず、子ども達でしょう。
私は生かされてきました。
祖母を含め、多くの人が私に膨大な時間や手間をかけてくれたからこそ、今こうして生きています。
今度は私が、子ども達や次の世代を担う人に、時間や手間をかける番です。祖母のお墓参りを通して、ちょっぴり高尚な気持ちになったのでした。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。