#63 【子育て】私が息子に貼り付けていた「ラベル」とは?
「ラベリング (Labering)」という言葉をご存じでしょうか?
一般的には何かにラベル (張り紙)をすることを意味しますが、
根拠もないのに否定的な見方を一方的・断定的にすることも、このように表現されることがあります。
「レッテル張り」に近い意味合いですね。
例えば、子どもに
「○○ちゃんは、算数苦手だよね~」
と言うことは、その子に対して
「あなたは算数が苦手である」
というラベリングをしているということです。
不思議なことに、子どもはその言葉を証明するような行動や思考をするようになって、結果として本当に算数が苦手になってしまうのだそうです。
これは本当にもったいないし、恐ろしいことですよね。
昨日の記事でもご紹介した『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』の著者は、
“ネガティブであれポジティブであれ「あなたは~だ」「いつも~だ」という言い方ではなく「今回は~だったね」と言うべきだ”
と言っています。
ですが、何を隠そう、私自身がこのラベリングを息子にしていて、後悔したことがあるんです…。
「○○は、本当に、ビビりなんだから~」
小学2年生になる息子は、物事に慎重な性格です。
公園の遊具に興味を持っても、自分の限界を低く見積もる癖があるようで、もう少しで行けそうなのに途中で引き返したり、チャレンジ自体を避けたりする傾向がありました。
私は、そんな息子の様子をかわいらしく思いつつも、少しじれったく
「○○は本当に、ビビりだなー。」
などと、笑いながらよく言っていました。
ですが昨年、初めての三者面談で、先生からこんなことを言われてしまったんです。
「鉄棒の授業では『先生、俺、ビビりだがら』なんて言って、尻込みしていましたが、よく頑張っていましたよ。」
ドキッとすると同時に、ショックでした。
無意識の内に「お前はビビりだ」というラベルリングをしてしまっていたことに、この時初めて気が付いたからです。
「僕はビビりだから」
「小心者だし、できっこない」
そんな風に、歪んだ自己理解をさせてしまっていたのかもしれないと、反省しました。
さらに怖いのは、私にはまったく悪気がなかったから、もし三者面談で先生からお話しを伺えなかったら、今もこのラベルを強化し続けていた可能性が高いことです。
このエピソードをきっかけに、私は子どもに掛ける言葉、特にネガティブな含みのある言葉や内容には慎重になりました。
「○○は、ビビりだな~」を封印したことは、言うまでもありません。
子どもとの対話の中で、まったくネガティブな言葉を使わないのは現実的ではないし、ついつい小言のように「いつも~だ」「あなたは~だ」と言ってしまいたくなる気持ちも分かります。
ですが自戒も込めて、子どもへのラベリングには十分注意しましょう。
( 子どもに限らず、周りの大人や自分自身に対しても )
最後まで、読んでいただいてありがとうございました。
※『「人に迷惑をかけるな」とは言ってはいけない』の詳細な解説記事はこちらです。『ひなたの本棚』というブログに飛びます。
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