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【エッセイ】生きたいように生きるということ

「あなたはあなたの
 生きたいように生きなさい」

某アニメの最終話で出てきたセリフ。

最近涙腺ゆるゆるの私

それはもう泣いた。

私がずっと欲しかった言葉だと思った。

誰も私に
そんなこと言ってくれなかった。

でも
「誰も言ってくれなかった」
なんてただの言い訳だとも思う。

私は大人になって
後悔したことが沢山ある。

どうして県外の大学に
行かなかったのだろう

とか

どうしてもっと大きな会社に
就職しなかったのだろう

とか

どうしてもっといろんな人と
関わってこなかったのだろう

とか

いつもいつも。

どうしてどうして。

そんなことばかり考えた。

そして

「あぁそうか、
 近くにそういう人がいなかったからだな」

馬鹿みたいな結論を導き出しては
あほらしくて書き消した。

他人が怖くて
自分に自信がなかった私は
結局楽な道を選んで
生きるしか無かったのに。

確かに私の身近に

県外に出て何かを成し遂げようとか

大企業に就職しようとか

そういうことをやっている人は
ほとんど居なかった

居たらどうだったか。

触発されてその人の後を追ったか。

いや、
それでもやっぱり私は同じ道を歩んだだろう。

例えば

宇宙飛行士になること

例えば

歌手になること

例えば

海外で働くこと

それらは私にとって現実的ではなかった。

まるでテレビや映画の中の世界でしか
実現し得ないことのように感じていた。

どうせ自分なんて。

いつだって心の奥底で
その言葉が見え隠れしていた。

別に私と同じような環境で育った人でも

広い世界で大きなことを成し遂げた人

成し遂げようとしている人

は沢山いる。

環境のせいなんかじゃない。
私がそれを選ばなかっただけなのに。


*


私には甥が4人、姪が1人いる。

私は親でもないのに彼らに
口うるさく色々なことを伝える。

小2の甥が将来
パイロットになりたいというので

「じゃあ
 どうやったらなれるか調べてみよう?」

「こういう方法があるよ!」

「勉強しなきゃだね!!」

などとのたまう。

うぜぇな自分。

書きながら思う。

お前たちは何にでもなれる。

お前たちはどこにでも行ける。

努力さえすれば。

私が出来ないと思い込んでいたことを
本当は誰だって出来る事なんだよと伝えたい。

「俺男だからこんなの好きじゃない」

何かの景品でもらった
サンリオのキャラクターが
描かれたエコバックを持っていったら
小4の甥がそういったので

私は
「男とか女とか関係ない。
 男でも別にかわいいもの
 好きでもええんやで?」

などというこれまたうざい
お説教をしてしまった。

わざわざ自分の可能性を
狭めるような思い込みはしてほしくない。

ただ、これは彼らへの愛かと問われると
そういう訳でも無いように思う。

「生きたいように生きるために努力しろ!」

「生きたいように
 生きるために視野を広くもて!」

本当に余計なお世話。

そう、これは
私のただのわがままなのです。

私が欲しかった言葉を
ひたすら押し付けようとしている。

私の後悔を
そうやって解消しようとしている。

わがままにもほどがある。

でも少しくらいはいいよね?

大人になったら
覚えてすらいないかもだけれど。

別に届かなかったらそれでもいいから。

おじさんの戯言を

もう少しだけ聞いてほしい。


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