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【無痛分娩】出産レポ②〜膣壁血腫、緊急搬送編〜


続きです。

7月12日午後0時52分
陣痛開始から約19時間で赤ちゃん誕生。
そこからは回復に向かう一方だとひと安心し、夕食を楽しみにしていた私。とっても稀なケースかもしれませんが、新たな試練に襲われました...

午後3時半
旦那帰宅。
私は個室へ移動し休憩。すっごく疲れているはずなのに、良い体勢が中々見つからず眠れない。
結局横向きのまま1時間くらい仮眠。

午後4時半
会陰と後陣痛(?)の痛みで目覚める。どんな体勢でも痛くてナースコール。痛み止めは既に処方されていたので、湿布を腰に貼り気持ち痛みを緩和させる。

午後5時半
夕食が運ばれてくる。
結局その後も痛みから眠れず。
お尻付近が痛くて円座にも座れない。
意地でも食べたくて立ったままなんとか夕食をたべる。24時間ぶりの食事。

午後6時
痛みが段々激しくなり耐えきれずナースコール。
お尻付近が痔になっていると言われ痔の軟膏を処方してもらう。
余りの痛みに(MAX時は陣痛と同じくらい痛かった)後陣痛ってこんなに痛いの?と疑いつつ、経験がないのでわからない。
陣痛と違い波がないのでひたすら痛みに悶える。

午後6時半
もう一度看護師さんに傷を見てもらう。
あり得ないくらい腫れていたらしい。車椅子で分娩室に運ばれる。ちょうど食事から戻ったドクターを捕まえ急遽診察。あちこちから看護師さんも集まってきて、院長も電話で呼び出され、何やらただ事じゃない雰囲気に。同時にドクターが私のお股に処置を施してくれていたけれど、膣内で血腫が急成長していた為急いで血を掻き出す必要があり、それがこの世のものと思えないくらい痛くてただひたすら泣いた。

午後7時半
パニック状態で長い間わんわん泣き叫んでいた私。強い痛みから身体中震え、目は開けられなかったけれどお股付近から出血している感覚はあった。
血腫の大きさと出血量から大学病院への緊急搬送が決まり、旦那を再度呼び出し。
かなり出血していたらしく、ドクターが私のお股をずっと圧迫止血してくれていた。
旦那が産院に到着したところで救急車出発。初期対応のドクターに代わり女性の院長が同乗しお股の圧迫止血を継続してくれた。
救急車の中では鎮痛剤が効いている感じがして、院長や旦那と少し会話が出来た。院長が私の脚をさすって励ましながら旦那に状況説明をしてくれた。

午後8時
大学病院に到着。
ほぼ全裸状態で引き継ぎが行われる。そのままの姿で手足の数が足りないくらい点滴や採血の針が刺されもう恥ずかしいとかいう感情はなかった。

搬送中、圧迫止血の甲斐あり到着時には出血がかなりおさまっていたらしい。すぐに手術とはならず、造影剤によるCT検査等様々な検査をする。産院の院長とはここでお別れ。「絶対良くなるからね!」と強く励まされまた泣く。殆ど記憶がないけれどずっと全身震えていたらしい。

午後9時
陣痛開始から一睡もしていなかったので、隙間時間に寝落ち。貧血もあり身体はかなり限界。「手術室がある大学病院なら眠ってる間に全部やってくれるからね!」と産院の院長に励まされていた為、もう痛い思いはしなくて良いのかな...と安堵の気持ちで次の処置を待った。

午後10時
様々な検査結果を待つ間に出血がおさまり、手術には至らない方針へ。
(手術室が0時近くまで空かないらしいという医師達のやりとりが聞こえ、内心はいっそ早く薬で眠らせてくれという気持ちだった。)
脚を開くと反射的に震えと涙が止まらなくなってしまい、思わず「もう限界です...」と近くにいた女医さんの腕を掴む。
その時は状況が理解出来ていなかったので、脚を開く姿勢になると「また痛い思いする...!」と身体が反応していた模様。

午後11時
輸血やら鎮静剤やらの同意書複数枚に震える手でサイン。
それまで私を囲んでいた7.8人の医師や看護師が一斉に部屋を出ていき旦那と少し会話。一時的に落ち着きを取り戻す。

午後11時半
その後直ぐに処置が再開。お股を開き、膣内に器具を入れて、鎮静剤が効くまではまたわんわん泣いて、深く深呼吸をしているうちに眠ったようだけれど、眠りの中でもズキズキ痛くて、目覚めてもやっぱりお股が痛かった。

午前0時半
一旦全ての処置が終了。
横たわりながら旦那と一緒に今後の話しを聞いた。貧血だったので、採血の結果が良くなるまでそのまま大学病院に入院することに。産まれたばかりの我が子との同室はしばらくお預け。

旦那と別れ病室に入ったのは午前1時過ぎで、そこからは眠りながらの輸血。とんでもなく長い一日だったな、疲れたな、痛かったな、赤ちゃん元気かな...と振り返りながら静かにしくしく泣いて、気づいたら眠りに落ちていた。

翌日
若い先生が病室に来て私の身に起きたことを説明してくれ、やっと理解した。
↓要約するとこんな感じ
13時頃:出産
膣内で少ーしずつ血腫が成長。
18時頃:痛みピーク。
恥骨のほうまで腫れ上がる。
出血止まらず、搬送中圧迫止血。
20時頃:搬送後
出血おさまり、傷口に血が溜まらないようガーゼを詰め翌日抜去という流れ。
後で産院に戻ってから聞いた話しだけれど30年以上産婦人科医やってるドクターも驚くくらい稀なケースだったらしい。

3日後
怯えながら毎日の内診を乗り越え3日後に無事退院。お股〜お尻付近が腫れ上手く座れないので、車の後部座席に横たわりながら元の産院に転院。我が子と久しぶりに対面しまた泣く...。

元の産院に戻ってからは、初日から産院で過ごした場合のスケジュール通り、沐浴や授乳指導を受け、出産から1週間と1日後に本当の本当に退院し自宅に帰宅しました。産院では母子同室だったので、自宅でもスムーズにお世話が出来ました。

以上が私の出産から産後の記録です。
これを書いている産後1か月の今、支えなしで立ち座りの動作が出来るまで回復。傷も綺麗に治るそうです。女性の身体って凄い。
しばらくトラウマになりそうだけど、我が子がかわいくて救われる。

我が子の顔を見た瞬間出産の痛みは吹き飛ぶと世の母達はよく言うけれど、あれは結果論であってみんなしばらくは引きずるんじゃないかなと思った。
沢山痛くて怖い思いをして、それでも人類を1人増やすという偉業を成し遂げるんだもの。トラウマになる人もいるだろうに、それでも乗り越えていくんだから母親ってすごいんだよ。

私はというと...
3日くらい引きずって夜泣きしたけど、いまはこうして冷静に振り返ることが出来るほどメンタルも回復しました。稀なケースに関わらず迅速に対応してくれた先生達にはとにかく感謝。
母親って偉大なんだと分かる年齢になったつもりでいたけれど、改めて強く思ったのです。

母になるって奇跡の連続でした。

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