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保育心理学⑥ギブソン:私たちはなぜ引戸を引きたくなるのか

こんにちは。社会福祉士、精神保健福祉士のHinaです。保育士試験の勉強をしながら、学んだところを学びまとめノートとしてまとめている記事です。保育士試験を受ける方、保育分野に携わる方はもちろん、全く関係のない人もぜひ読んでみてください。自分の専門分野外に触れる機会は貴重です。自分には関係のないことだと思った瞬間、そこから学びを得ることはできなくなってしまいます。関係ないと思わず、さらっと読んでみると、意外な発見があるかもしれません。


◇環境と行動の関係性

皆様のご自宅には、和室はありますか?最近は家に和室を作らない人も増えていると聞きますが、和室を知らないという人はまだ少数派なのではないでしょうか。
先日熱海旅行に行った私ですが、旅先のホテルでは小上がりになっている和室スペースと、ベッドやおしゃれなテーブルとソファが置いてある洋スペースに分かれていました。
洋のスペースでは背筋を伸ばして椅子に座り、コーヒーを飲みながら家族と談笑したくなります。そして、和室のスペースでは思わずゴロンと寝てしまいたくなります。しかし、いくらふかふかのソファがあったとしても、おしゃれな洋のスペースでゴロゴロしたい気持ちにはなりません。そのスペースの「きちんとした感じ」が、私のゴロゴロ欲を抑えてくれていました。

◇人間は環境から影響を受ける

このように私たちは、無意識に環境に影響を受けて行動しています。環境が私たちにその場に合った行為をさせる作用を、アフォーダンスと言います。これは、認知心理学者のギブソンが提唱した考え方です。
英語でaffordとは、「もたらす」「与える」という意味を持ちます。ギブソンは環境が行動にアフォードする、という考え方を提唱しました。
環境だけでなく、すべての物は私たちに何かをさせるよう影響する要素を持ちます。ちょうど先日のVoicyでMBさんも話していましたが、ペッドボトルは持ちやすい形にすることで私たちに飲みたくさせる力がありますし、おしゃれな見た目の化粧品はついつい手に取りたくなる、または部屋に置いておきたくなる見た目をしています。このように、環境だけでなくあらゆる物も私たちの知覚に影響します。

◇使いやすいデザインとは何か

ギブソンのアフォーダンスを活用して、誰もが使いやすいデザインに活かしたのが、認知心理学者のノーマンです。
ノーマンは、押し戸の扉をつい押して開けたくなるようなデザインは何か?引き戸の扉をつい引きたくなるデザインはどんなものか?と、環境が知覚に影響することを生かしてあらゆるデザインを使いやすく考えました。
つい押したくなるように平面な扉にしたり、ついつまんで引っ張りたくなるようなリングを取手につけたりと、使いやすいデザインにしたのです。

ということで、細かいところではありますが、自分の中であまりうまく咀嚼できていない心理学用語だったため、まとめながら記事にしてみました。自分の言葉で説明するとスッと頭に入ってきます。本来資格の勉強とはこのようなスタイルが理想なのかもしれないな、なんて思います。
何かのお役に立てれば幸いです。
では、また💐

・MBさんの放送はこちら


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