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伊能忠敬の測量日記・現代語訳【1800年閏4月23日】〜測量5日目〜福島


4月23日、朝から曇り空。
朝の6時半頃に出発。

三里一町五十四間(12.4km)進み、

鍋掛・八丁越堀を
二里十一町四十二間半(10.3km)進んで芦野宿。

さらに三里四町三十五間(12.5km)進んで
白坂宿に到着。

一里三十三町(7.1km)進んで
白河に着いたのは、午後19時頃だった。

宿は、因幡屋の茂兵衛というところであった。 

白河城下で、心当たりのある宿に行くと、
とても小さく狭かったため、

因幡屋に宿を変更した。

この宿の主人は、下総佐原(伊能忠敬の故郷)で
「丸屋伊右衛門」という人物の酒蔵を借りて、

「丸屋清吉」という名前で
酒造りをしていた人である。

丙年(1796年)に、
大坂で米の商売で損失を出し、
この白河城下に来たとのこと。

奇遇にもその主人と対面し、
酒や料理でもてなされ、
その主人の妻に、銀貨一枚を渡した。

この主人の生まれは近江の国(滋賀)である。

因幡屋にて酒や料理をもてなされる


丸屋伊右衛門

丸屋伊右衛門は、江戸時代から明治時代にかけて活躍した近江商人の一人です。彼は、近江八幡(現在の滋賀県近江八幡市)を拠点に、商売を行い、その活動は全国に広がりました。丸屋伊右衛門は、特に日用品や薬品、織物の取引で成功を収め、多くの富を築きました。


歩いた距離:42.3km

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