チャー坊のこと 2


チャー坊との別れは本当に唐突だった。具合が悪いことはわかっていたが、まさかこんなに早く逝ってしまうとは想像していなかった。

預けられたその次の日、それでも先生の口調からとてもシリアスなのだという事が伝わってきた。休日だった。会社へ行っていなかったのはせめてもの幸いであった。

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夫は近隣で用事をこなしていて、私は家にいた。それでも待っていた電話は何時に迎えにきてください、というものだと思っていた。しかしながらいただいた電話は予断を許さないチャー坊の状態で、すぐに来てくださいとうことだった。

自転車で出かけていた夫にそこで待つように伝えすぐに車で迎えに行った。しかし、おりしも渋滞中、裏道をすり抜けて向かった時、診察室で横たわっているチャー坊に対面した。もう苦しそうな息はしておらず、ただ、本当横たわっているとしか言えない状態だった。

夫はあまりに突然のことで泣き崩れている。私はというと、なぜか涙がまだ出ずに、とにかく先生の話を聞いた。

一晩中チャー坊は吸入器の中でがんばっていて、薬の投与をするも症状は改善されなかったそうだ。翌朝になっても改善は見られず、私たちを読んだということだ。とても辛かったのは私たちの到着を待たずに息を引き取ったことだ。今更たくさんの後悔をしてもチャー坊は戻ってこないのだけれど、今回は特に自分たちを責めてしまう結果になった。

それでも骨になって家にかえってきたチャー坊には、ずーっと話しかけ、後悔の念は心の奥へ隠して、楽しかったことをたくさん話した。

私たちの元からまたひとり旅立った。マン丸顔のおっとりさんのやさしいチャー坊。大好きな大好きなチャー坊。

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