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留学にあたって諦めたこと4つ

スウェーデンに来てからもうすぐで2ヶ月が経ちます。

・極東アジアの島国日本から北欧スウェーデン

・大都会東京とそのベッドタウン埼玉からダーラナの自然豊かな小さな落ち着いた街

約1万キロの大移動を大きなスーツケースひとつとリュックだけで成し遂げてしまいました。2、3着の冬服と春服、2足の靴、お気に入りの本、人生の相棒の地図帳、思い出の詰まったもの、家主に渡す日本のお土産くらいしか持って来ませんでした。

私はアルバイトでしか収入がないので、大金持ちではありません。それどころか、奨学金という形で将来の自分に借金をしている身分です。現在は奨学金を借りていないので、親からの仕送り、奨学金の余り、自分のわずかな貯金で生活しています。

私は英語はわかるけど、スウェーデン語は全くわかりません。Google翻訳は確かに便利だけど、わからないもの全ては正確に教えてはくれません。街中で聞こえてくる会話の中身はさっぱりわかりません。自分の近くで急に何かを話し始める人がいると、自分に言ってるの?!とビクッとします。大抵はそんなことないんですけど。知らない言語の中で生きるということは、そういう余計な心配事も増えるということなのです。

私は3人のルームメイト(日本の古ーい映画とビートたけしさんをこよなく愛するスウェーデン人、クロスカントリースキーをしにスウェーデンに来たのに、全然雪が降らなくてがっかりして雪があるノルウェーに行きがちなチェコ人、一度自分のことを話す機会が与えられるとストップがかかるまで半永久的に話し続ける、一日中家族や友達からの電話が鳴り止まないパキスタン人)とシャワー、トイレ、キッチン、洗濯機を共用しています。綺麗好きなおばあちゃんの家主が一軒家の一階に住んでいます。

自分のプライベートな時間や空間は、ここでの生活が終わる6月までないに等しいです。

このような変化に適応するまで、ストレスも多かったし、どこかに逃げ出したくなりました。(逃げ出すといっても、一番居心地がよかった埼玉のアパートはもう解約したし、ここらで引っ越すとなっても自力で全部やるのは無理があります。)

おしゃれをすること
全部わかろうとすること
食べたいものを食べること
完璧な清潔感を保とうとすること

その結果、この4つを私は諦めざるを得なくなりました。

まず、おしゃれをすることについて

日本にいたときは、原宿のイケイケな美容院に数カ月に一回通い、髪を金髪にしてから、グレーアッシュやオリーブブラウンに染めたり、私好みの離島や銭湯特集の雑誌を読みまっくったり、美容師さんとの会話を楽しんだりしていました。

でも、渡航前に髪を真っ黒に染めて5センチほど切って来ました。美容院に通えない生活になることに配慮した結果です。

もともと私は他の人と違うことをしたり、違うものを身につけたりすることが好きでした。古着屋さんの店員さんと仲良くなったり、お年玉などをもらったらセレクトショップをはしごして服を大人買いしちゃったりする、どちらかといったら服に気を遣う方でした。シンプルな中に散りばめられたユニークなディーテイルに惹かれてそれを手に取り、素材やデザインについて、その服の”売り” を細かく教えてくれる古着屋やセレクトショップの店員さんから服を買うことは、私の趣味のひとつだったと思います。

残念ながら、お気に入りの服たちは実家に待機。汚れたりして着れなくなってもいい服を少しだけ持って来て、それらをかなりヘビーにローテーションしています。


次に、全部わかろうとすることについて。

いくら英語がほとんどの人に通じる環境いるといっても、みんな馴染みのある第一言語を好むに違いありません。事実、現地の人は英語は必要に迫られないとスウェーデン語しか話さないし、クラスのみんなもウルドゥー語とヒンディー語で会話しています。私はそういうところにいると疎外感を感じます。でも、話し方から大体何を話しているのかわかるようになりました。同じ国の人が集まれば、その国の言葉で会話をするのは当然です。また、その環境にいながら全部をわかろうとするのは無謀だし、ストレスにもなります。よって、程よくスルーすることにしました。


3つ目。食べたいものを食べることについて。

先ほど書いたように、私の今の経済状況はそれほど潤沢なものではありません。それに加えて、消費税25%が課せられた国で生活をすると、日本との物価の差はかなり感じます。

特に、外食に行った時はとても驚きました。日本では1000円もしなさそうなご飯が、3000円くらいしました。日本には駅の近くに飲食店がたくさんあって、帰り道に食べていくか。と行ったテンションで立ち寄る感覚があるけど、こっちの人は外食はたまにしかしないようです。食事自体より、大切な人との食事の時間や会話を楽しんでいるように見えました。私も最初の頃は自炊するのめんどくさいなあ、夜ご飯食べてから帰ろう、といったテンションで外食したこともありましたが、自分のお財布と相談して外食は月に一回と決めました。


最後に、完璧な清潔感を保とうとすることについて。

他人と住み、家電やスペースを共有するとなると、一人暮らしのように好きな時間に好きなことをするわけにはいきません。その結果、私は洗濯をする頻度がめっきり減りました。(一人暮らしをしていた時もこんもり洗濯物を溜めてしまうこともしょっちゅうでしたが...)洗濯機を使える時間帯が決まっているのと、他の人が洗濯をしている可能性が常にあることで、洗濯したい!と思ったときに洗濯できるとは限りません。家主が大変綺麗好きなことから、洗濯機が空いている時間があまりないことは容易に想像できると思います。


何かを手にしたいとき、何かを手離さなければなりません。

そして、手離したものによってできた心の穴を、何か他のもので埋めなければなりません。まだ私はそれを見つけられていないけれど、なるべく早く見つけられるようにしたいです。そしてそれについてまた書ける日が来たら嬉しいです。


読んでくださってありがとうございました🍀

😝