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(4)ZOOMクラスでの、ラポール形成の強化はマスト。

こんにちは。カナダの大学で日本語講師をしているHinakoです。

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5月から8月まで春夏学期のZOOMクラスを振り返ってみました。MIROというアプリを使って、マインドマップで振り返ると、私が身に染みて大事だとおもったことの一つが「ラポール形成の強化」です。ここでいう「ラポールの形成」というのは「学生さんと先生」そして、「学生さん同士」の2つのタイプの信頼関係をきちんと築くことです。振り返ると、とにかく「ラポール形成の強化」のために、コースをデザインしたり、授業を工夫していきました。これ本当にZOOMクラスのキーだと思ってます。

★先生と学生さんとのラポール形成

まずは、学生さんがいつでも質問できて、大変な時は「SOS」がちゃんと出せる場を提供しているかが大事だということです。先生が、「困ったときはいつでもメールしてください」というのは危険です。というのは学生さんに聞いたところ、「メール」というのは敷居が高すぎるらしいです。大学の先生にメールするのはよっぽどのことだという学生さんもいました。

私の大学では、完全オンラインになったのは春コースからで、おそらくほどんどの先生方がオンラインコース初心者だったんじゃないかという印象です。それゆえ、とにかく「課題が多い」。いまこそそんなことは思いませんが、先生方は、課題を出してないと学生さんが勉強しているかどうか不安なんですね。そして、その課題はレポートやビデオ提出が多く、とにかく時間がかかると学生さんが泣いていました。正直憔悴しきっている学生さんもいて、そんな時、ちゃんと先生に助けを求められる環境づくりはマストだと思います。

具体的に取り入れたことは、SlackなどのSNS利用、課題への丁寧なフィードバック、FlipGridなどを使って顔を出してのオーディオフィードバック、Reflection Form(振り返り帳のようなもの)でのコメントのやり取り、とにかくいろんな方法で学生さんが先生とコンタクトをとれるようにするのがキーです。もうバンバン質問が来るし、大変でしたが、学生さんのことがたくさん知れて本当に楽しかったです。

★学生さん同士のラポール形成

ZOOMクラスではおそらくブレイクアウトルームをたくさんさせるのが、一番いい方法だと思います。とにかく、ブレイクアウトルームが楽しいというフィードバックがものごく多かったです。グループを作る際も、何度も同じグループでする日もあれば、色々な人と話す日もあっていいと思います。

ここで先生が、学生さん同士のラポール形成のために、気をつけないといけないのは1つ。「ブレイクアウトルームというのは学生さんだけの神聖な空間」であることを覚えておかないといけません。先生はあまり介入しないほうがいいと思います。そっとブレイクアウトルームに入って見守る。必要な時は手を差し伸べる。でもまたそっと退出。先生が顔を出して「こんにちは」なんて入ると急に空気が変わってしまうんです。もちろん最初の何週間はそれでもいいと思います。むしろそうしたほうが先生と学生さんとのラポール形成の強化になると思います。でも慣れてきたら、距離を置きながらブレイクアウトルームを転々をしたほうがいいと思います。そうすることで、学生さん同士、安心していろんなことを話せるんです。

具体的には私はカメラオフにして「耳の写真」を使って入ってましたよ。こんなやつ。

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もう一つ、気を付けていることは「二人だけのペアー」を作らないということ。私は対面の授業でペアーワークばかりさせていたので、ペアーが当たり前だと思っていたんですね。でも学生さんから「知らない人と二人は怖い」という声をきいたとき、はっとしました。学生さん同士のラポール形成のためには安全な環境を提供しなきゃいけなかったのにできていませんでした。安全なはずのオンラインコースなのにです。

具体的な方法としては、大体ペアーワークですることは3人、グループでするようなことは4人にすると、話しやすく、会話もスムーズにすすむようです。

「ラポール」なんて、難しい言葉を使っちゃいましたが、決して、マウントをとったわけじゃないですよ。とても適格な言葉なんです。心理学用語らしいですが。ぶっちゃけ、「先生ヘルプー」と質問ができて、「もう宿題多すぎ!!」なんて、ブレイクアウトルームでクラスメートに愚痴なんかが言える、そんなZOOMクラスを作っていけるようにこれからも勉強しようと思います。


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