「アンティゴネー」イスメネの役作り④
日常と舞台の垣根をなくす
今まで、舞台の上でのみインスピレーションが来て舞台の上でのみ創造が起こって…舞台上が全てだ。と思ってきたけれど、それだとうまくいかない。
良い作品をつくる為に。と生活全部を注ぎ込んできた数十何があった。けれども、そうなればなるほど、実生活はおろそかになっていく。忙しさにスカスカ、ガサガサ。こんな人間で何が芸術やねん。本末転倒だなぁと感じていた。
舞台上だけでなんだか素敵な人間を現そうなんて事も、そもそもハリボテ的な考えで見る人を騙している感がある。綺麗な上澄の中は泥。そこの矛盾は1番自分が知っていて、なんだか、そのちゃんと生きてない日常の自分が深みの底から足を引っ張る。
コロナ期間、活動が急停止し、生活の流れが強制終了された。20日ネズミがカラカラカラカラと必死に車を回していた車がストップし、車から降りてみたら、どこにも進んでいない自分にぶち当たる。スカスカさ加減を見せつけられた期間でもあった。笑
演出家アニシモフ氏の虎の威を借る狐でもあった。彼のカリスマに魅了され、その作品作りに尽くすことが幸いだと思っていた。幸いなことには違いない。が、その影には、素晴らしい作品に携わっている。だから、自分の人生は意味がある。私は意味のある人生を送っている。と思い込みたかった隠れた目的があったわけなんです。虎の威を借る狐は毛皮を剥いだら丸裸の狐なわけです。私の存在に意味なんて何もない。
まだ、私の意識は若干逃げている。色んなことから。作品を作るには自分の役作りだけがやることではない。集団活動には色んな人がいて色んなことが起こる。自分の人生にも色んなことが起こる。星の巡りはスピードをさらに加速させている。。。
どんどんヨボヨボのネズミか何かに感じてくる。笑。
芸術の神様が逃げたことから許してくれるのじゃろうか。昔、アニシモフは芸術から背いたら厳しい仕打ちが来ると言っていた。なんか、そういうのをここ数年味わっているような、ただの私の心の問題のような。
こんなことを書きつつも星のめぐりは加速度を上げていく。
日常を振り返ろう。日常でこそインスピレーションを受け取ろうなんて思って、すこし、演劇から距離を置いた。
体裁のいい理由を自分につけたわけです。ね。半分、離れて実は徐々にfade-outして行こうと思っていた。が、それもままならず、12月2日はやってくる。
吐露。だらだらと人生の言い訳。
きっと、何か諦めた分だけ、何かが変わっているはずだ。(希望)とどまる。とにかくとどまる。
失踪しない為に、とりあえず、何ができなくとも土台となる体だけでも、レディーゴーにして礎になってもらおう。
3日間、
四つ這い、四つ足歩き、中心呼吸、鳩尾五十音。体を響かせる。体のスキャニング。などを行う。
体に少しスイッチが入ってくると少し安心。笑
イスメネの役は私にとっては、難しい役だ。女性の役って私のキャラ的に難しい。そして、この作品自体、アンティゴネーで失態しイスメネで失態し、全てからさよならしかけた因縁のある作品。実際、半年くらい劇団を去っていた。そんなわけで再演と言っても私にははじめての能楽堂公演。笑
さて、12月2日。私はこの因縁を払拭します。するべく向かっております。
『アンティゴネー』
▼PRTIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002235.000013972.html
▼NEWSCAST
https://newscast.jp/news/6518893
https://s.confetti-web.com/detail.php?tid=75003&