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【地方学生の美大進学日記】 師

 前の記事で書いたが、私には絵の先生が二人いる。ここではみどり先生とオーカー先生と呼ばせていただく。

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筆者が初めて描いたときの静物デッサン。鉛筆うっす。

 みどり先生は学校で、オーカー先生は学校が休みの日に、デッサンなどについてご教授くださっている。二人とも優しい。とても話しやすい。加えて、その先生二人も互いに知り合いなので、みどり先生から聞いた、オーカー先生のデッサンについての予定が、数日後、オーカー先生によって実行される、ということもある。

 二人の先生は、年齢がかなり離れている。絵について学んだ場所も全く異なる。そのため、時々意見が真逆の場合がある。それぞれの意見について理由を考えると、どちらも合理的であるから、そこは取捨選択するか、機会を分けて両方試したりしている。

 その二人に共通する助言は何だろう。それを考えたときに、ふと思った。デッサンでは面を意識すること。消極的に考えないこと。二人とも言っていたのはこれらではないか。

 鉛筆デッサンであれ着彩であれ、物の形や立体感を出すのに重要なのが、面への意識だと。

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最近木炭でスケッチした、マルス(石膏像)の横顔。個人的にお気に入り。

 私が、自分のデッサンが進歩していないと落ち込んでいるときに、そのデッサンについての良い点を話した後、「ちゃんと進歩している」という旨を伝えてくれたことを。

 後者は私が分かりやすく落ち込むからでもあるだろうけれども。

 デッサンについては、まだ実力が足りていないと感じる。鉛筆の使い方や、着彩での色の乗せ方(毎回色が渋い)。その分伸びしろはあるのだと思いたい。

 消極的に考えるな、ということは、言い換えれば、「下を見るな。前を見続けろ。成長はそこからだ」という事なのかもしれない。

 そう、カッコつけながら考えるのだ。