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【短編小説】フローライト

【短編小説】フローライト

 互いに、唯一の友であると言い合っていた同級生が居た。
友人の名前は赤城優。大人びた見た目で、明朗快活な子だった。私は思い出す。彼女と話をした時の記憶を。そこまで時を経ていないはずなのに、遠い場所に置いてきたかのように感じるのは、感じてしまうのは、何故だろう。
時期は中学二年の、丁度文化祭が終わったころだっただろうか。
高く積み上げられた、バケツ型の筆洗。木目に絵具の色が入り込み、傷の隙間から黒く

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