シェア
青眼鏡
2020年6月2日 21:51
互いに、唯一の友であると言い合っていた同級生が居た。友人の名前は赤城優。大人びた見た目で、明朗快活な子だった。私は思い出す。彼女と話をした時の記憶を。そこまで時を経ていないはずなのに、遠い場所に置いてきたかのように感じるのは、感じてしまうのは、何故だろう。時期は中学二年の、丁度文化祭が終わったころだっただろうか。高く積み上げられた、バケツ型の筆洗。木目に絵具の色が入り込み、傷の隙間から黒く