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「アイドルオタク」をやって変わったこと

まぁ誰しもみんなそうだけど、女の体を選んで生まれてきたわけではない。なのに女の体を持っているというだけで、他人は、社会は、勝手に私を女だというのとにしている。それには納得がいかない。やまこしは、男とか、女とか、そういうのとはあんまり関係ないところに生きたい。

だから生理がくるとなんとなく悲しいし、生理用品のパッケージが花柄なのは結構許せない。きょうりゅうさんの柄にしてほしい(?)(それはガキだからでは?)

生理がくるのを許せないと、PMSの症状もひどくなるらしい。矛盾である。

そんなやまこしが「V6」のファンになった、これはファンというやつだ、と気づいたその月、ものすごく調子が良かった。こんなに調子のいい生理を10年間で知らない、というくらい調子が良かった。

今でもなぜかはわからないけれど、オタクをやっているとき、やまこしは女であることを結構素直に受け入れている。というか、男とか女とかに囚われていない感じなのかもしれない。好きな人たちはかっこいい、わたしは彼らが好き、そこにそういう事実があるだけ。もしかしたら彼らも男じゃないかもしれない、でもそれはあんまり関係ない、かっこいいから。それだけで十分。

アイドル産業というのは、やっぱり「男」と「女」で成り立っていることが否めない。その一方で、「見た目」を売り買いする商売だから実はそんなに関係ないのではないか、とも思い始めた。

女→男 の視線と、男→女の視線には圧倒的な違いが(あるはずはないのだが)あるらしいということはおいておいて、考え方によっては性という考え方から自由になれる場所であるのは不思議であった。

ファンクラブに加入したのは約1年半前。
ジャニオタをやって一番驚いたのはFCに登録している時だった。

性別* (*は必須)
・女
・男

そうか!!!!!!!!!!!!!!!!!
FCに加入するのは女の子の方が多いんだ!!!!!!!!だから女が先にきてんだ!!!!!!おもしろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

2択並列なので、どんな場面でもどちらが先に来るかは問題ではない。しかしなぜだか、選ぶときは男が最初に来ていた。ジャニーズのファンクラブ登録で初めて見た。女が先にきている選択肢。

だからなんだと言われたら全くわからないけれど、社会と性を読み解く鍵は、アイドル産業にたくさん落ちている、とそのとき確信した。いまだに言語化はできないけれど、衝撃が忘れられない。

もちろんピルを飲み始めたり、生活が変わったりしたのがあって体調は良くなっていたのだけれども、その陰にV6がいたことは否めない。

先日のコンサートでは、会場の前でうちわを持って写真を撮った。目が女すぎた。
「目が女」とかいう暴力的な表現は私は好まないし、自分に対してそんな形容をされるのは許せなかったと思う。でも、イノッチのうちわを持ってそこに立っているのは、わたしが女だなぁと思っても心地のいい女の子だった。

やまこしにとって、性というのはアイデンティティの根源なのでそれが揺らぐととても不安な気持ちになる。そういう不安がないというだけでやまこしは毎日が楽しい。お風呂に入って自分の裸を見て「胸があるなぁ」ということを「胸があるなぁ」という事実で終われて、それに対して何も思わなかった時の喜び。やまこしは知らなかった。

「好きな男性」に対峙した時に出る女性ホルモンは、別に本人の前だけで出ているわけではないと思うので、解散したとてそういう側面からV6が私を支えてくれるのは変わらないと思う。

きちんと言語化できたらその折に、とは思っていたけど、ご時世的にタイミングがいいので今ここで。
アイドルを好きになって、ジェンダー観が心地いい方に変わっていくとは、少しも思っていなかったな。

「すき」というきもちは、どうやったって最強なんだぜ。

いただいたサポートでココアを飲みながら、また新しい文章を書きたいと思います。