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岡田くんが「春が来ている、風が強い」と言ったから

風が強いお天気はあまり好きじゃない。
髪の毛ボサボサになるし、荷物を持っていると余計重く感じる。
冬の風は特に寒さを増すし、春は花粉を広げていく。
引っ越してからは、強風で家が揺れるのも怖くて、とにかく風は好きじゃない。

岡田准一さんがTwitterを始めた。
アイドル事務所にいた時にはブログやSNSを持っておらず、そういう表現は好きではないのかな、と勝手に思っていたら、どうやら違うらしい。
ぼくらの心に直接届く、背伸びをしない「岡田くん」の言葉がそこには綴られている。

今の時代は面白いなと思う。
大好きな、リスペクトしている人の言葉が、良くも悪くも直接自分の手のひらに届く。
3月の中頃、突然うつっぽい症状が悪化した時には「まあいっか、と思うことの大切さ」を綴ったツイートが目に入り、電車の中で泣いてしまった(そのあと2日寝込んだけど)

さて、実はけっこう前だったのだがこんなツイートを見た。

「風が強い」という現象に対して「春が来ている」と感じたことがなかった。
ぼくは冬が本当に苦手だから、春が来るのが何よりも嬉しい。
色づいてきたつぼみ、長くなってきた昼、そういう「春の証拠」をたくさん集める人生なのだ。
その証拠の一つに風があるとは思ってもみなかった。
けれど確かに「春一番」という言葉があるように、春は風が強い。

だからぼくは「この風の強さは、春に向かっているということだ」と思えるようになってきた。

誰かのことを好きになることが大切なのは、こういうところだと思っている。よく知らない、興味もない人の言葉だったら、目も耳も向けなかったと思う。それが「岡田くん」だったから読んだのだ。それは時に「恋」で「愛」で「信仰」で「友情」で「憧憬」で「拗らせた感情」になるのかもしれないが、それでも明日を生きていく糧になるのであればとても大切な感情だと思う。

岡田くんが言ったから、
強い風が春を連れてくるのだ。

いただいたサポートでココアを飲みながら、また新しい文章を書きたいと思います。