はじめての講演@ハイテク図書館とスゴ腕職人の街・安城
イラストレーター・取材&コラムニストの陽菜ひよ子です。
昨年、地元ナゴヤに関する本を出しました。それがきっかけで、スゴイことがたくさん起きました。
本は地元ナゴヤで話題にしていただき、書店でも大きく扱っていただきました。行く書店行く書店で、自分の本がドッカーンと並んでる図。泣ける。
この本をきっかけに、中日新聞社発行の広報誌での連載も始まりました。
「ナゴヤ愛はどこにある?」(ADFiLEでの連載コラム)
そして、今年の5月頃、な、ななんと、この本についての講演の依頼がありました。愛知県安城市の図書館からのご依頼です。
「こ、講演って、わたしが?」
まさか自分が人前で講演するようなことがあるとは!
わたしにできるだろうか・・・ちょっと悩みましたが、せっかくなのでお引き受けすることに。すぐに10月の希望の日程を打診され、10/2(土)14時からに決定。
まさかの異動、そしてポスター制作
そこから数ヶ月の間に、事件がいくつかありました。
なんと、依頼くださった担当のSさんが翌月6月に人事異動で担当を外れてしまったのです。わたしを推してくださったSさんがいなくなったら、講演もなくなるのかと焦ったら、それはないようで、すぐに後任のKさんと打ち合わせがはじまって、ホッ。
まだまだ先のことにように感じていましたが、どんどん月日は過ぎていき。
7月にポスターを作りました。ドドーン!
8月から告知を行い、9月から募集をかけました。ありがたいことに、このような時期でありながら早々に半数以上のお申し込みがあったとのこと。
しかし9月初めはまだ緊急事態宣言中で、いつ解除されるか見当もつかない状況。9/29(水)の時点で緊急事態宣言が解除されなければ、延期すると決定。一体どうなるの~~~??
開催の決定とひとりリハーサル
結局、緊急事態宣言は、前日の9/28(火)に解除され、開催される運びとなりました。
無事開催と聞いて、慌てたのなんのって。だって、もう絶対中止に決まってると思い込んで、のん気に構えてたのです。あせるあせる。
そこから、それまでに調べたこと、自分のことをザザザーーッとまとめ(こういうのがわたしはホントに好き)、本番さながらに2時間のシミュレーションを繰り返す。
これが結構疲れるのです。まとめたり打ったりするより、しゃべる方が全然疲れる!
あかん、もう明日だけど、喉ガラガラになって来た。。。もうやめとこ。
到着した安城の街
10/2(土)は快晴。駅に迎えに来てくださったKさんに案内していただきながら安城市アンフォーレ館へ。
安城の街は、新美南吉であふれていました。
新美南吉は「ごんぎつね」「手袋を買いに」「でんでんむしのかなしみ」「おぢいさんのランプ」などで知られる、日本を代表する童話作家のひとり。みんな国語の教科書で、絶対一度は読んでいるはず。画像の黒い木は「おぢいさんのランプ」をモチーフにしたモニュメント。
新美南吉は愛知県半田市の生まれですが、女子校の教師となり、彼の短い生涯で最も充実した時を過ごしたと言われるのが、この安城市なのです。
女学生に囲まれてベンチに座る南吉先生。美少女たちに囲まれてうれしそう?南吉先生の横には座ることもできます。
時間ピッタリに終わった講演。。。天才か?
到着したアンフォーレ館。公共の施設とは思えぬカッコよさ。
正式名称は「安城市中心市街地拠点施設」。本館(公共施設棟)には安城市図書情報館やホール、民間経営による南館には商業施設がはいっています。
わ、ワタクシの講演、いよいよはじまります!
最初にKさんがごあいさつ。いつもは女性が多いのに、今回は男性が多かったそうで「おじさんキラー」と呼ばれておりました。ポスターの写真が詐欺だったせいか?
いよいよ開始。ひとまず14時から1時間ほどしゃべりっぱなし。
ただひたすら自分がしゃべり続けるのを人が聴く、というのは、ありそうでない体験です。これでいいのかな?面白いのかな?
最初はまず「つかみ」に「安城の話」よね、と張り切っていたのですが、思ったほどはつかめず。。。
仕事の話で、NHK Eテレの『すイエんサー』のイラストを担当してることを話したら、一番前の女性が、ニコニコと「みてる」というジェスチャーをしてくださり。反応があってう、うれしい。。。。
即席サイン会
今回は本の即売会などは行いませんでしたが、途中にはさんだ休憩時間に、本を持って来てくれた方にサインをしました。
懐かしのアトピー本を持って来てくれた人まで!感涙。。。
オットはいつも撮ってばかりなので、意外と少ない二人の写真。
撮ってもらえてうれしかったです。
10分の休憩後は、後半スタート。
後半の本づくりについての方が、食いつきがよかったようでした。Kさんからも「貴重なお話が聴けてよかったです」と言っていただけてホッとしました。
そして、ほぼ時間ピッタリに話し終わりました。自分でもびっくり。マジで「天才か?」と思いました。声からして練習した甲斐がありました。
ソフトもハードも素晴らしいハイテクな安城図書館
安城市図書館、ものすごいハイテク図書館だとは聞いていましたが、本当にすごくカッコイイ図書館でした。
全国で60ほどある同規模の自治体(人口15万人~20万人未満)の中で、本の貸し出し数が全国1位なんだそうです。
建物中央部に設けられた吹き抜けには、ドドーンと「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー2020 優秀賞 オーディエンス賞 ダブル受賞」の垂れ幕が。
この図書館、ハード面でもソフト面でも、ちょっと他にない工夫がされていて、ダブル受賞もうなずける素晴らしさなんです。
いろいろお話したいことはヤマヤマなのですが、この図書館については、また別の機会に。
街のあちこちに南吉さん。本が椅子になってる!というと、Kさんが「夜になると明かりが灯るんですよ」とおっしゃるのを聞き、それは見なくては!
終了後、来てくれた友人とお茶していたら、すっかり夜に。本のランプ、ステキです!
夜のアンフォーレ館も、いい感じ。
人が素晴らしいアンフォーレ館
今回、講演のために安城図書館(アンフォーレ館)のみなさんとやり取りしていて、いろいろ感動したことがあります。
担当のKさんがメールの文面からも「なんだか味のあるキャラだな」と思っていたのですが、お会いしたらメールのイメージそのまんまで、すごく楽しい方だったこともそのひとつ。
Kさんはずっと図書館勤務をされていたのですが、ここ数年はイベント系の部署におられたそうで、納得。
なにより感動したのは、このポスター。
これ、プロのデザイナーがつくったんじゃないんです。アンフォーレ館の職員の方がつくられたんですよ。
思わずKさんに「この方はもともとプロのデザイナーだったのでしょうか?」と質問してみました。
すると、Kさんからはこんなお返事が。(許可を得て転載します)
担当は3名おり、陽菜さんのものは「I」が担当しました。Iは、デザインの専門的な教育は全く受けていないということです
へぇ、そうなんだ!と思いながら読み進めて、次の文言で目を疑いました。
ここにきて『ワードでこんなことができるのか!?』と思ったと言いますので「ド素人」間違いなしです(笑)
ええええええっ!!これ、Wordでつくってるの?
たしかに、Wordにはイラレのベジェに似た機能があるのはわたしも知っていたのですが、デザインもできるんだ。。。びびびび、びっくり。
しかしながら、その実力は(ほかの2人も含めて)みんなが認めるもので、他の講師の方々からも賞賛いただいております。ご参考までに過去のI作品を添付いたします。
というわけで、これ、稲垣えみ子さん(2019年12月)。
えええ!安城にいらしてたの?まずこのことに驚き。そしてこれ、Word形式で送られてきたんです。マジか!センス良すぎませんか?
コチラによると、即日で満席となったそうです。だよね~。http://www.library.city.anjo.aichi.jp/event/jicho7.html
わたしも知ってたら行きたかった!!
でも稲垣さんと同じ場所で講演できただけでシアワセ♡
だってわたし、えみ子教の信者なんだもん♡♡♡
それから、ジブリ映画の名作『魔女の宅急便』の原作者・角野栄子さんの講演(2019年4月)。こちらはさすが、講座室ではなく250名収容のホールでの大イベント。
黒ネコやリボンなど『魔女の宅急便』のモチーフが配された、小粋なデザインがやさしい色合いとマッチしてます。
こちらは『アンフォーレ落語会』(2019年1月)。和風もできるんですね!さすが!!
これも無料なんて、なんて太っ腹なアンフォーレ館。
アンフォーレ館のみなさま、ありがとうございました!
安城市図書館、日本全国にお住まいの方なら誰でも利用できるそうです。東海道新幹線の駅「三河安城」から、たった一駅(2分)で行ける便利さ!
図書館好きなら一生に一度は行くべきかも、アンフォーレ館。
本文・イラスト:陽菜ひよ子
本人たちが写っている以外の写真:宮田雄平