シンドラーのリストから考える〜ビジネスとは何か、理想のリーダー像とは〜

◆はじめに

皆さんは「シンドラーのリスト」という映画を知っていますか?

「シンドラーのリスト」はスティーブン・スピルバーグ監督によって1993年に公開された作品です。第66回アカデミー賞で12部門にノミネート、7部門で受賞するなど高い評価を受けています。

映画で描かれているのは第二次世界大戦時のこと。ドイツによるユダヤ人の大虐殺が行われていた中、ドイツ人実業家のオスカー・シンドラー氏(以下敬称略)が1100人以上のユダヤ人を救った、という事実を映画化しています。

これだけいうとただの美談なのかと嫌煙する方もいるかもしれませんが、映画は非常に人間臭く、そしてリアリティのある内容になっています。

この「シンドラーのリスト」を見て、ビジネスとは何であるのか、そして理想のリーダー像とは何であるのか、考えたいと思いましたので、まとめを作りました。
もし私が書いたこのテキストで何か感じてくださる方がいたらとても嬉しいです。ぜひお気軽にコメントをくださいね。

※「シンドラーのリスト」はAmazonプライム・ビデオで見ることができます。考察内ではネタバレを含んでいますので、気になる方はぜひ先に映画をご覧ください。

◆結論のまとめ

・ビジネスとは何か…

「利益を追い求める活動で、その活動自体に人を救う力を持っているもの」

・理想のビジネスリーダー像とは…
「大切なもののために、進んで道化になれる人物」

・このノートの主要メッセージ
「ビジネスを始めるのに必要なのはお金儲けに貪欲になる勇気」

◆シンドラーのリストから考察する、ビジネスとは何か

まずは結論から。
「ビジネスとは、利益を追い求める活動で、その活動自体に人を救う力を持っているもの」と考えました。

シンドラーが行なった事業は、結果たくさんの人を救いましたが、元々は人助け自体が目的ではなかったように思います(後ほどまとめます)。それでもたくさんの人を救えたのは、お金があったからです。お金は人の行動を変えられる価値の高いもの。もしお金がなく崇高な気持ちだけあってもあそこまで多くの人は救えなかったでしょう。利益の追求、とだけいうと悪いイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、私はこの映画を見て、ビジネス自体に人を救う力があると考えました。

◆シンドラーのリストから学ぶ、理想のビジネスリーダー像

「大切なもののために、進んで道化になれる人物」
これがシンドラーから学んだ理想のリーダー像です。

大切なものにただ向き合っているだけでは大きな目標は達成できません。大きな目標には、大抵反対勢力がいるからです。これは第二次世界大戦時だけでなく、現代でもそうだと思います。

大切なもののために、道化のようだと言われたとしても、どれだけ自分の殻を破って動くことができるか…何かを成すにはこれが重要だとこの映画を見て感じました。

ちなみに作中でシンドラーにとっての「大切なもの」が「お金」から「人の命」に変わっていきます。初期から中期、後期にかけてシンドラーの変化をまとめました。

・初期のシンドラー

はじめは戦争もビジネスチャンスとしか捉えていなかったシンドラー。ワイロと持ち前のコミュニケーション力で軍の要人の懐に入り込み、お金儲けのための人脈を築きます。目的はただただ「お金儲け」。目的を達成するため、自分にとって有益な人に好意を持ってもらう立ち回りをしていました。ユダヤ人もただ安いから雇っただけでしたが、シンドラーは一貫して人種差別はしていませんでした。

・中期のシンドラー

ユダヤ人を進んで雇い入れたことから、大勢のユダヤ人を救うことになります。ただ、そこはシンドラーの意図しているところではなかったので、感謝されたり、保護をお願いされると少し気まずい気持ちに…。まだ大切なのは「お金」。ですが、ある日ユダヤ人が収容されている地区での殺戮を目の当たりにし、心境に変化が生まれます。

・後期のシンドラー

「人の命」を奪わせないような立ち回りをし、培った人脈をフル活用します。今まで大切にしていた「お金」を使い、「人の命」を買い、守るのです。そうして、1100人以上のユダヤ人のアウシュビッツ行きを阻止しました。

人命を守る時の発言は一貫して「職人の育成コストが無駄になる!」というドライなものでしたが、自分が殺される理由もわからなかった当時のユダヤ人にとっては、とても安心できる言葉だったのかもしれません。

そして終戦まで「人の命」を守り切り、自身は妻とともに逃亡します。

救ったユダヤ人達との別れの際に、「1つの生命を救うものが世界を救える」というユダヤの教えが刻まれたリングを貰い受け、初めてシンドラーは後悔を口にします。あと1人、あと10人救えていたら、と。

もしかしたら、シンドラー自身も、その時まで大切なものが「人の命」になっていたことに気づいていなかったのかもしれません。

初期から後期のシンドラーの姿から、「大切なもののために進んで道化に」なれていれば、大切なものを得ることができる、とまとめました。人を動かす立ち居振る舞いには、自分らしさは無くて良いのだと思います。ただ、自分にとって「大切なもの」は何であるのか常に問い続けていないといけません。それには自分らしさが必要なのだと思います。

◆さいごに…

この作品は第二次世界大戦の凄惨さを描いていますが、
これから事業を起こしたい人に勇気を与える作品でもあるのではないかと感じました。この作品を見るとビジネスが持つ力がとても大きいとわかるからです。

この作品で感じたことから、起業にあたって何が必要であるのか考えました。結論としては、「お金を儲けることに貪欲になる勇気を持つこと」なのではないかと考えています。シンドラーも結局お金がなければ何もできなかったからです。

「ビジネスとは何か」で定義したように、ビジネスはそれ自体が人を救う力があるものです。そしてたくさんのお金を動かせるようになればなるほど「人を救う力」も高くなり、社会も変えることができます。

つまり、大きなムーブメントのためには、お金を儲けることに貪欲な姿勢が必要になるということです。そして自分の大切なもののためにいかに自分を捨てられるかによってどれだけの人を救えるかが決まります。

ものすごく資本主義的な考えにまとまりましたが、「シンドラーのリスト」を見て感じたことの中からビジネスについて考察しました。

今後、自分でこの仮説を検証していきたいと思います。