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ハイモジモジ10周年ふり返り(7期目)

ハイモジモジ代表の松岡です。

2010年4月28日に創業し、間もなく10周年を迎えます。そこで、この10年の歩みをふり返っていきます。今回は7期目(2016年)をまとめてお伝えしていきます。


創業以来初となるケンカ別れ


この時期、事務所の内装をリニューアルしました。

オフィスの中央にある部屋に共有デスクを置いて仕事をしていたのですが、ここを作業部屋ではなく「商談ルーム」にしました。

また、白いクロスが貼られたいかにも家っぽい壁に木の板を貼って、商品を撮影するときや取材を受けるときの「いい背景」になるようDIYしました。


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▲賃貸なので現状復帰できる工法で


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▲商談用のソファーも思い切って購入


と、ポジティブなリノベにも見えますが、事の発端はこれでした。


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ふたりで大きなデスクを共有していたとき、複数のプロジェクトを多く抱える弊社デザイナーの「資料の散らかしっぷり」が限界値を超えまして、創業以来初めて仕事部屋を分けることになりました。要するに、ケンカ別れです。

そして、わたし松岡の方はというと、これまでずっと我慢していた「個室への欲求」が大爆発。立ったまま仕事ができるスタンディング・デスクを導入し、壁一面にパンチングボードを貼って、好きな道具に囲まれるという夢のような空間を実現しました。


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個人的な欲求は満たされましたが、問題が2つ発生しました。

ひとつは、立ち仕事に慣れなかったことです。日中、どうにも「立つこと」が目標になってしまい、全然仕事に集中できませんでした。

しかも長時間立ちっぱなしだと足の裏が痛くなるので厚底のサンダルを履いていたのですが、その厚底の角度がよくなかったのか、ふくらはぎに疲労が蓄積していたようで。フットサルをしたときに脚が激しく痙攣しました。こんなことは初めてでした。

作業の合間、合間にほどよく休みをはさむことで、むしろ立って行う方が仕事がしやすいとおっしゃる「成功者」もまわりにいるのですが、個人的にはスタンディング・スタイルは合わなかったです。創造的なことにも全然力を発揮できず、アイデアも枯渇し、無気力感もありました。

もうひとつ、会社として大きな問題だったのは、やはり部屋をふたつに分けてしまったことです。

たったふたりしかいないメーカーにとって大事なのは「何気ない雑談」です。ふと思いついたことを、その勢いのまま相手に投げてみて、その反応を見て次のアイデアを膨らます、そういうクリエイティブなやりとりが、部屋が分かれてしまったことで消滅してしまったのです。

「これはいかん!」ということで、解決策としてあるモノを作り始めるのですが、それが結実するのは1年以上も先の話。


販売イベントに積極参加


昨シーズンに発表した「TAGGED」シリーズが好調だったのですが、それ以降はどうも新しいアイデアが湧かず、形になるものがほとんどありませんでした。私事ですが子供が2歳のイヤイヤ期に突入し、子育てに疲れていたのもあります。

そんな中でも売上げを立てていかなければ会社は続けられません。そこで、この時期は積極的に販売イベントに参加することにしました。


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「イベント」というのは短期集中的なお祭りですので、開催する小売店さん側は商品を仕入れずに「委託」という形を取ることがほとんどです。つまり売れた分だけ計上し、残った分は返品するという形式です。

その分、通常の仕入れよりは「掛け率」が高く、商品ひとつあたりの利幅は上がるのですが、そのための準備期間も含めると決して割のいい仕事とは言えません。

とはいえイベントはお店にとっても目玉の企画。フロア内の一等地を占有することができ、これまで自分たちの商品と接点のなかったお客さんと新たに出会える可能性も高まります。

と、わりきって、各地への出店を決めました。自分たちで現場に立つこともあれば、商品だけの参加というパターンもありました。とにかく各地で種を撒く、そういう時期だったかもしれません。


専門学校の授業風景がテレビに


7月にテレビ東京系列の情報番組「モーニングチャージ!」の取材を受けました。

スタッフさんが事務所まで来られ、普段の様子をテレビカメラに収めていただきました。仕事部屋がふたつに分かれていたことで、かえってテレビ映りとしてはすっきりして見えたかもしれません。結果オーライ。


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さらに、2014年から非常勤講師として勤務している御茶の水美術専門学校での授業風景も初めて撮影されることになりました。

学校の主役は生徒たちですので、教える側の都合で取材カメラが入るのはなんだか面映ゆいところがあったのですが、理解のある生徒たちに恵まれてよかったです...。


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「TAGGED」がグッドデザイン賞を受賞


10月にはうれしいニュースがありました。

クリーニング・タグを製造する共生社さんと共同で始めた「TAGGED」プロジェクト、そこで生まれた「TAGGED MEMO PAD」のシリーズが2016年度グッドデザイン賞を受賞しました。

六本木で開催された受賞祝賀会にも招待されました。


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正直、2012年に「Deng On」で受賞したとき以上に嬉しかったです。というのも、この「TAGGED」はチーム戦の勝利だったから。他社さんと力を合わせて結実させた商品が評価されるというのは、やはり感慨もひとしおです。

このような機会をいただけた共生社さんに、心から感謝しています。もちろん「TAGGED」シリーズを愛用してくださっているみなさまにも。


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▲共生社のみなさんと記念撮影



「HAT APARTMENT」のNY版リリース


11月。

帽子収納に特化したケース「HAT APARTMENT」のニューカラー「Black」をリリースしました。


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旧バージョンは「アムステルダムのアパート」をイメージした外観だったのですが、今回のブラック版は「NY(ブルックリン)のアパート」をイメージしました。

全数を完売し、惜しくも廃番となってしまったのですが、今でも再販を望む声をいただく人気商品です。

いつか再販されることはあるのでしょうか。



「NekoTsubo」が絶好調


わが社の看板猫「ニーポン」をモチーフにしたアートワークを提供している「NekoTsubo」シリーズが水面下で絶好調。中でもTシャツが大人気で、何万枚という数が売れていました。


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この「NekoTsubo」はライセンス・ビジネスですので「何月にいくつ売れた」という報告をアートワークの提供先から定期的にもらうのですが、正直なところ「売れてる実感」がありませんでした。

というのも自社企画の商品と違って自分たちの手で出荷していないため、スケール感が想像しにくかったのです。


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ところが、街中で「NekoTeubo」のTシャツを着ている人とすれ違うことが増えました。ふり返って二度見して、首を痛めること数知れず。おそらく多くの方々にハイモジモジという会社名を気づかれることなく、ただただ「かわいい猫のTシャツ」が支持されて、ひそかに街中に浸透していたようです。

年が明けて2017年の3月には、勢いあまってLINEスタンプにもなりました。



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2016年は、ややスランプ期だったと言えるかもしれません。10年も続けていれば、そういうときもあります。山あり谷ありです。


ハイモジモジ10周年まで、あと5日。

(つづく)


【ハイモジモジ PROFILE】
2010年創業。「Kneepon from Nippon!」を合言葉に、思わず膝を打つアイデア・プロダクトを日本から発信している。キーボードに立てる伝言メモ「Deng On」、耐洗紙のメモ「TAGGED MEMO PAD」でグッドデザイン賞を受賞。人気シリーズ「WORKERS'BOX」好評発売中。

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