インターネット大学の良い点、良くない点

私は働きながら博物館学芸員の資格をとるために通信制大学(インターネット大学)の科目等履修生として学び、カリキュラムが求める最短の一年(前期・後期)で9科目19単位を修得して学芸員資格を取ることができました。今回は私が利用した大学のケースをもとに、通信制大学(インターネット大学)の良い点、良くない点について考えてみます。

■良い点

●自分の好きな場所で学ぶことができる(自宅、図書館、カフェなど) 

私が実際に学習に利用した場所は自宅と出張先のホテルです。また、仕事の会議などが長引いてリアルタイムのインターネット授業に間に合わない場合も想定して、会社近くの図書館の自習室やコワーキングスペースなどを利用する準備もしていました。Wifiでインターネットに接続し、イヤホンをつけて講義を聴くことができれば、基本的にどこでもOKなので便利だし、安心でしたが、結果的にそれらを使うことはありませんでした。学習のシーンとしてはPCを繋ぐ場合だけでなく、テキストを読んだり、レポートを書いたりすることもありますが、それこそどこにいてもできることですね。

●大学に行く時間とコストが要らない

これは特に遠隔地の学生、あるいは社会人には最大のメリットと言えるでしょう。私の場合は自宅が品川区で大学が横浜だったので、仕事さえなければ通うことは全く問題がない距離だったのですが、結局は仕事をしているので一度も大学に行くことはありませんでした。それでも必要な単位を修得することができました。書類のやり取りは郵便とメール、お金の支払いも銀行振り込み、様々な相談もメールと電話で済ませることができます。これは事務局のサポート体制の充実が大きいですね。

●リアルタイムでなくても受講できる(オンデマンド受講)

スクーリング授業はライブ配信授業をリアルタイムで受講することが原則ですが、私が利用していた大学は、どうしても授業に間に合わない場合は、当日中にオンデマンド授業を受講して受講レポートを提出すればOKというルールだったので、余程のことがない限り欠席を回避することができます。私も一度、出張の移動と授業が重なったためにライブ配信ではなく、ホテルにチェックイン後にオンデマンド授業を受けたことがありました。

 
●ひとりなので集中できる

受講する場所が自宅であろうが図書館であろうが、あるいはカフェであったとしても、基本的には画面に向かっているのは自分ひとりですよね。もちろん、大勢いる場所での受講も可能ですが、そもそも目的意識をもって受講する限りは一人です。逆に言うと、一人になれる場所で講義を聴きます。これは自然と集中力が高まりますね。

●計画的な学習ができる

履修登録に際して、講義内容、スケジュール、テキスト、参考文献、課題などが記されたシラバスが公開されます。とくに2回のレポート提出について、提出時期と課題が示されるので、履修開始時点でそれを目指して学習計画が作ることができます。テキストをひと通り学んでから課題に取り組むとあとで焦ることになりそうなので、まずは提示された課題をもとにレポートで何を書くかを漠然と考えておきます。そしてそれに関係あるところを中心にテキストや参考文献を読むといいですね。私の場合は歴史博物館や考古資料をネタにレポートを書こうと思ったので、テキストもそれに関連する部分を重点的に取り組みました。美術館や動物園などは最初から対象外として捨てていました。

●自律的な学びにつながる

以上のように、インターネット大学については様々な良い点があげられますが、これらはすべて自律的な学びを促進してくれると言えます。いや、自律的に学ぶからこそ、これらのメリットを享受できると言えるのかな。


良くない点

●誰も見ていないのでサボり放題 

これは「良い点」の4つめの裏返しであり、インターネット大学でなく、通常の大学においても共通して言えることですが、大学に行く必要がなく、ひとりで学ぶ機会の多いインターネット大学では通常の大学以上にあると思います。実際のところ、ライブ配信授業で先生が出席を取る際に、一度も返事をしなかった人がいましたが、この人は授業をSabotageしているということになるでしょう。

●先生への質問がやりにくい

通常の大学なら授業中のみならず、授業が終わってからとか、教授室にいくなどして、授業内容に対する質問ができるのですが、インターネット大学の場合は基本的にインターネット授業の最中にチャットでやり取りすることが中心なので、なかなか的確な回答を得られない場合が多いと言えます。個別に質問を投げかける機能も用意されていますが、都合で試験が受けられない場合の代替方法や実習手続きに関することなど、授業の内容ではなく履修に関する質問をする機能でした。また、これらとは別に、学生と先生が、あるいは学生同士がコミュニケーションをとる場所も用意されているのですが、私の場合、この場所を開放してくれた先生は一人だけでした。

●仲間を作りにくい 

先生との関係と同様に、学生同士のコミュニティが生まれにくいです。上記の通り、学生同士の会話の場が用意されていても、先生がその場を開設して利用を促進してくれない限りは使えません。ひとりの先生を除いて実際のところは全く利用されていませんでした。結果として、学習に関する悩みを相談する相手ができませんでした。


以上、インターネット大学の良い点と良くない点を整理してみましたが、総合的に考えてメリットのほうが大きいと思います。特に遠隔地や社会人にとってメリットが大きいと書きましたが、もっと皮をむいた話をすると、知らない人と話すのが苦手な内気な人や、コミュニケーションが上手な人に対して気後れするような人にとっては学習の天国と言ってもいいでしょう。私はお勧めしたいですね。


⇒ 独学で学んだ古代史、大和政権成立までの過程を自分なりに解明した 「古代日本国成立の物語」を電子出版しました。是非ご覧ください。



この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
ありがとうございます!
14
仕事をしながら古代史を学ぶ自称「古代史勉強家」です。全国の遺跡や神社、歴史博物館を巡っています。博物館好きが高じて学芸員資格を取りました。古代史の学びを通じて人生を充実させたいと思います。こちらも是非ご覧下さい→http://kodaishi-gakusyu.blog.jp/
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。