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いじわるな芸術家たち

下手くそではあるのだけれど
絵を描いたり、アートを見ることが好きで
学生の頃、芸術科目を選択していた。
私のクラスの美術担当教員はなんと毒舌な
人だった。

2度聞きは御法度。制服の乱れにはあばずれと罵倒するほどの猛毒さを持っていた。

この人が「美」を教えることを仕事にしている
のが3年間ずっと不思議だった。

小手先や身なりに洗練さを感じるものの
その人から発せられる言葉は見事に
「美しい」とはかけ離れていたからだ。

先日、友達が働いているアトリエで写真家の個展があっていたので出向いた日のこと。
一通り展示を堪能して
私以外が誰もいなかったタイミングだったので
その友達と軽く会話を交わしていた時に
スッと入ってきた男性がいて

入ってくるやいなや展示を鑑賞しつつ
不穏なオーラをムンムンと放っていて
何だか一瞬にして美しい空間が濁ったのだけれど

私も友達もその方が退出されるまで静かに
その場に居合わせていて何だか不機嫌そうに出て行ったなと思った矢先、アトリエのオーナーから友達へ一報が届き
「なんか男性からクレームでね、女と男が話しているのが見えて写真家さんの世界観に合わない
人間がいたので不愉快でならなかったって言われたんだけど大丈夫?何かあった?」と報告された。

確かに私と友達は人がいない少しの間話していたが流石に、展示を見にいらした他のお客様たちの前でペチャクチャ話したりなどしていなかったから、単に、その男性の中では私と友達の雰囲気と
写真家さんの世界観が合わず目障りだったのが
嫌だったのだろうと思った。

しかしながら、私はその時、初めて
美しいものが好きな人たちの中にも
不恰好で不謹慎なことを言うような
とても、美しいとは言い難い人となりの人も
存在するのだと知った。

人それぞれだね、と受け流してはいるが

怒りの感情が芽生えたとしても
アンチやヘイトのように一方的な攻撃をして
人を罵倒し、叱りつけるような人が
アートや芸術を語り美しいものについて
一丁前なのが私はどうも受け入れ難い。

賛否両論だと思うが私は個人的に、
こだわりがゆえに、人としての根本的な
道徳心を捨ててしまった人には
叱られたくない性分だ。

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