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妊娠後期、命という体験

いま、妊娠8か月。
妊娠判定をいただいてから半年が経った。
半年かあ。出産も近づいてくるわけだ。
お腹はかなり、ぱつんぱつん。もう隠せない(べつに隠してないし、隠す相手もいないけど)。

母子手帳には、「順調」スタンプが並んでいるけれど、まったくなんの心配もないよ!というわけでもなく。
赤ちゃんの大きさは本当に大丈夫なのかな?成長は問題ないのかな?とか、
人生初!貧血検査でひっかかってしまった!とか、
もしかして帝王切開かもしれないな?とか……

マイナートラブルは、幸いなことに今のところ、深刻なものは起こってないけれど、それでもいくつかある。
最近でいうと、後期つわりっぽい症状とか。
子宮が大きくなってきて、胃や膀胱が圧迫されてるんだなあとよくわかる。
こんなに自分の内蔵について実感することは、今までなかったな。
ここ数日、自分のつま先が遠くて、靴下をはくのが大変になってきたかんじもある。

赤ちゃんが成長したので、その居住スペースは狭くなってきたようだけど、それでも動きは活発で、脇腹やお臍の上あたりでいきなり「むにーっ」とかたい何かが浮き出てくることがある。かかとかな?
ナデナデしながら、この皮膚の数センチ下に別の人間がいて生きてるんだな〜と思うと不思議なかんじ。
そしてそんなことを思っているうちに、スっ……とそのかたい何かは奥へ引っ込んでいく。

命というものを、直接的に感じることが増えた。
わたしは生きている。
わたしの中のもう一人の人も、生きている。
「生きてるよ!ここにいるよ!」
と叫んでるかんじがする。
その時が来たら、一緒に苦しんだり痛い思いをしたりしながら産まれ出てくる人間が。

今まで、「命」を感じる体験をしたのは、例えば胃腸炎で40度の熱が出た時とか、事故で巨大なトラックとぶつかった時とか、「死」を感じる場面だった気がする。

出産は「死」ではなく「生」の体験……のはずだけれど。

でも、わたしは「死」の気配も感じている。
赤ちゃんが必ず生きて産まれてくるとは限らない。まわりで死産という悲しみを経験した方もいる。
出産で自分が必ず無事でいられるとは限らない。出血が多くて危険な目にあったという経験をした方もいる。
わたしがもし死んだら。と、時々考える。
そしてその度に、まあそんなことはまず起こらないだろうと打ち消す。
母子ともに健康で出産を終えて、慣れない育児に悲鳴をあげながら奮闘するんだろうと想像する。
そんな「死」の気配までひっくるめて、いますごくすごく身近なところに「命」が存在しているなあと実感している。
実際、これもマイナートラブルなのか?動悸がしたりもするので、自分の心臓を嫌でも意識せざるを得ないのだ。

生と死が表裏一体みたいなこの不思議な体験も、あと2か月ほど。

今しかできないことを、と、スタバでひとりカフェタイム。

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