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天体望遠鏡

みどりは、小学生の頃から星が好きだった。
その頃は図書室にある星に関する本をたくさん読んだ。
特にギリシャ神話が好きだった。
古代の人々がどんな気持ちで夜空を見上げていたのか?…という想いも持ったりした。

みどりは、中学生になった時、初めて天体望遠鏡を買った。
お小遣いやお年玉をコツコツためた貯金を全部つかって。

確か口径が76cmの屈折望遠鏡。
一流メーカーのものは中学生には買える値段ではなかったので、それよりも性能は劣るメーカーのものを。

天体望遠鏡を手に入れてから、みとりは晴れていれば毎晩のように星々を見た。
月のクレーター、木製の衛星、土星の輪っか、オリオン大星雲…などなど、驚きの連続だった。
家の近所では天体望遠鏡というものを持ってる人はいなかったので、ときどき隣近所の人たちに声をかけて、観望会みたいなこともしたりした。
みんな、天体望遠鏡を覗いては、とても驚いたり感動したりした。
そんな光景を見て、みどりは嬉しかった。

その頃みどりには、大きな悩みがあった。
それは、夜の闇が怖い…ということ。
星を見るのは好きだけど、夜の闇がとても怖い…
魔物や幽霊が現れそうで、とても怖かった。
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

星は見たいけど、夜の闇が怖い。
そんな葛藤をみどりはずっと持っていた。

そんなみどりも、大人になって夜の闇に対する怖さはだいぶ薄れている。
でも、天体望遠鏡は今は手元にない。
捨てた記憶はないから、どこに仕舞い忘れてしまったのか?、誰かに譲ったのか?
それに社会人になってからは仕事の忙しさなどで、星からは離れてしまっている。

最近また、星々を眺めたいという想いが、みどりの心の中に涌いている。
また天体望遠鏡を買って星々を眺めてみようかな。
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