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出会い編・その5

で、「あなたも仲間になりませんか?」となるのですが、自分はまだ小遣いが少なくて年会費を払うのがきつい、と話したら、はざまさん(当時FCの中心スタッフをしていた方で、004好きが高じてドイツ語を習得するくらいのハインリヒファンでした)が「私の会誌を毎回貸してあげる」と言って下さり、その頃会誌「パラライザー」は確か5か6号くらいでしたが、その後11号くらいまで毎回はざまさんにお借りして(その都度郵便で送ってもらい、また郵便で返送する)読んでいました。入会はしていないのですが「ながのちゃん」と呼ばれてFCの活動になんとなく入れてもらって…当時ははざまさん始め皆さんに可愛がって頂いてとてもお世話になりました。ここでお礼を言うのもなんですが、ありがとうございました!(深々)

アニメがきっかけだったFCですが、009はもちろん原作も大好きで小学校卒業の頃には10巻までのサンデーコミックスが本棚にあり繰り返し読んでました。御多分に洩れず「ヨミ編」が一番好きでしたが、私が最初に009の原作に触れたのは「ベトナム編」です。白黒アニメしか知らなかった頃、兄貴の友達の家に一緒に遊びに言ったら009の3巻だけがあって「009って、漫画が最初なんだ!」と知り、読むとこれが面白くて文字通り夢中。五里霧中。ベトナムとアメリカが戦争をしていた、というのをこれで初めて知りました。「そうなんだ…ベトコンってなんだろな…。ブラックゴースト怖すぎる(003、006、004が洞窟でコプラーズアームに追い詰められる場面は本当にハラハラ、怖いんですよね)」漫画から色んな事を知り、楽しみを満喫した子ども時代。

私が非会員なのにFCに出入りしている間に愛知県に住む本田は入会して、その後自分も小遣いが値上がりして〝準会員〟を卒業して晴れて入会。なのでFCそのものと接触したのは長野の方が多分先でしたが、会員番号は本田の方が先なのです。

この間は1年くらいしかないのですが、子どもにとっては全ての事が初体験で一つ一つの出来事が新鮮で記憶に刻まれるので「長い」時間として記憶されるのではないでしょうか。10代までをどう過ごすかというのは人生にとって非常に大切だと大人になってしみじみと思います。その選択をするのは当の子どもには難しい事で「何が好きか」で突き動かされるのが殆どで、正しかったのか道を誤っているのかの判断をつけるのは無理なんですが、誰かのコントロールではなく自分が好きになったものに夢中になるとその後の人生に大変な影響があるのは確かです。

話を戻して、その後ぶり返した人気の高まりに応じて009の新しいテレビアニメが作られる事になりました。これがファンには大事件で。キャラクターデザインがとんでもなくカッコよかったのです。故・芦田豊雄さんによるものでした。本田は「宇宙戦艦ヤマト」のファンだったので、古代君から芦田さんの絵は大好きでしたが、私は009で初めて芦田さんの絵とお名前を認識しました。

前夜祭というものが2回あって放送が始まりました。確か火曜日の夜7時、7時半だったかな?

オープニング来ました!

ナンジャコリャのカッコよさ!!すごい、すごい。009が、こ、こんなにカッコよく!!!←興奮して家の中を走り回る中学生(当時多くのファンが同じ事したと思いますw)

この頃のテレビアニメーションは透過光やハーモニー方式などの新技術が色々と投入され、〝新作〟はとても〝新しい〟アニメでした。冒頭は原作11巻のエッダ編と神々編をミックスアレンジしたミステリアスなストーリーで大変面白かったです。ファン狂喜乱舞。(その後色々とあり普通(?)のアニメになりましたが…)

芦田さんの絵は石森先生の原作の良いところ(デフォルメであったり、性格)を活かしつつそれを現代にも活きるように洗練された線で増幅し、とてもエモーショナルでした。「アラレちゃん」以後のようなデッサンに基づいた描線ではなく、デッサンとデフォルメがちょうどいいバランスで融合し、線は踊るように滑らかで、お洒落なセンスに溢れていました。

009新作テレビアニメはかなりの人気を博し一年間くらい続き、ファンを増やし、FCの会員数はうなぎ登りに増え続け、1000人を越える大所帯になりました。

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