【超ショートショート】(316)～台湾の街似て～ASKA『愛温計』

何も持たずに想いたったら、
出掛けての。

どこに居るともわからない、
あなたに会いに。

そこは訪れたことが過去ある街。

私はバスに乗り、
あなたが居そうなホテルへと
一直線に向かった！

街の小高い山の上にあるそのホテル。

ホテルに到着したのが、夜。

あまりに遅かったので、
ホテルのロビーで、
休んでしまった。

夜中ふと気がつくと、
連絡先も知らない、
連絡したことのない、
あなたがそこにいた。

私の横で、
ロビーのテレビを眺めては、
何かパソコン作業してた。

私が目を覚ましたのに気づくと、
今日初めて会った接し方ではなく、
まるで長い付き合いのある兄妹みたいに、
私に接してきた。

「急にこんなところに来てどうした？」
「会いたかったから」
「でも、俺の居場所知らないだろう？」
「うん」
「それでも！来たのか？」
「うん」
「どうして？」
「・・・わからない」
「もし会えなかったらどうするつもりだった？
お前、
お金ほとんどお財布に入ってないじゃないか」
「うん・・・」
「ホントに、バカだなぁ」
「うん」
「いいからもう寝ろ！」
「ここで？」
「そうだ！」


2人はその後、
テレビゲームみたいな遊びを
仲良くしたみたい。

遊び疲れたお兄ちゃんのあなたは、
私の寝たいた場所で、
横になり、すぐに寝息をたてた。
その時は、もう朝を迎えていた。

私は「朝ごはん」と思い、
ホテルのフロントへ行った！

フロントまでの道のりが不思議で、
長いエスカレーターに乗って、
上に上がっていった。

宿泊のお客様じゃないと、
朝ごはんの提供はできないと説明されて、
仕方なく、
外に買い出しに出たみたい。


私は朝の不思議なバスに乗った。

そこで出会った人たちと、
その街の観光ツアーに参加。
様々な景色を見ながら、
ガイドさんとお話してた。



あなたの朝ごはんのこともあったけど、
ツアーが続き、
なかなか戻れなくて、
でも、楽しくて。

あなたと過ごした時間は、
走馬灯のような景色で、
憶えてる。
あなたは笑って微笑んで、
優しいお顔で私と過ごしてくれた！
久しぶりに私に会えて嬉しかったのかなぁ？


あなたと過ごす時間は、
夢のようで夢だった。

その夢から覚めても、
あなたと過ごした温かい幸せな心が、
今も余韻として胸の真ん中に残ってる！


どんなに遠く離れても、
こうして会いに行けばいいのね？

そうすれば心は幸せに温かくなれる。

でも…、でも、
どこか寂しいんだね？私。
夢の中でしか会いに行く勇気がないんだもの。

それでも、
あなたに優しくされたこと、
忘れない。


夢が現実になったら、
私、嬉し過ぎて壊れちゃいそう。

壊れてもいいから、
それでもいいから、
会いたい！
あなたに会いたい！
会いたくて、会いたくて、
お話したくて、お話したくて…。


本当の私をあなたは知らない。
本当の私の声であなたとお話したい。
すべての誤解を解消したい。
謝りたい。
「私のこと
嫌いにならないでほしい」とも言いたい。


あなたに会いたい！
会いたいです！

でも、夢で会えました！
お話してくれました！
優しくしてくれました！
迎えに来てくれました！
微笑んでくれました！
私の前で寝息をたててくれました！
無防備なあなたを私に預けてくれました！
嬉しかった！可愛いかった！
ずっと見ていたかった！

(制作日 2024.3.22(金))
※この物語はフィクションです。

今日は
今朝浮かんだことを書いてみました。
夢の中でも、好きな人に会えて、
その好きな人が、
どこから聞き付けていたのかわからないけど、
私のことを心配して様子を見に来てくれた！
そんなこと教えないで、
ただホテルのロビーの隅で、
冬だから寒いのに、
でも、
私の使っていた毛布を奪って寝落ちして。
今日が「初対面です」なんて所、
一つも遠慮しない、
お兄ちゃんぶりが、
私を安心させてくれた！
とっても勝手な行動でしたから、
お兄ちゃんの周りの人に、
きっと怒られちゃうことだったから、
お兄ちゃんの優しさに触れられた時、
穏やかな安心感に心が包まれてた。

そんなお話になります！
片想いからの大暴走な旅。
恋に距離って、
障害？別れる理由？
ただ寂しいだけ。
会えない人なら余計寂しいだけ。


今日の選曲は、
ASKAさんの『愛温計』
先日の外出中に『愛温計』が収録された
アルバム『SCENE Ⅲ』を聴いて、
『愛温計』の温かい雰囲気に、
ふと癒されてた！
そんな雰囲気をこのお話に、
主題歌として装われてみました！

(ニックネーム)
ねね&杏寿

今日の選曲 
ASKA『愛温計』 
作詞 ASKA / 松井五郎
作曲 ASKA
編曲 澤近泰輔 
☆収録アルバム☆
ASKA『SCENE Ⅲ』
(2005.11.23発売)