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【超ショートショート】(74)~イヴまで130日の夏に想う~☆アルバム『SCENE』の散文詩より☆

真夏の暑さが小雨に負けて、
すっかり暦通りの秋の気配。

人恋しさに拍車をかける、
金木犀の香りが漂いだしそうな秋の装い。

夏の終わりの寂しさはどこ吹く風、
カレンダーをめくれば、
クリスマスイヴまであと130日。

自慢じゃないが本当の意味で、
誰かと過ごしたイヴは一度もない。

でもね、
自分だけの特別なサンタさんが、
いつも夢を運び、側にいてくれる奇蹟。

ある年の夢は・・・

イヴの夜、
東京国際フォーラム ホールAの
コンサートを見に行く。

ステージに立つ人は、
知っている人。

関係性で言えば?

最後は、オールスタンディングで、
ステージを終える大成功。

コンサートの余韻に浸りながら、
家路に着く。

急いでイヴの食事の支度。

ドアベルが鳴る。

部屋に招き入れると突然の花束。

「今日のおみやげ。」と、
仕事でもらったものと強調。

初めての共同作業、
クリスマスケーキ入刀。

「やってみなかった。」の、
リスナーのリクエストに応えてくれる。

リスナーの「あ~ん!」リクエストに、
口を「あ~ん!」してくれる。

寝るまでの時間に、
前に置き忘れたギターを弾いて、
歌詞のない歌を歌い出す。

「録音して!」のお願いに、
スマホのボタンを押す。

髪まで乾かし、
待ちくたびれてひとりベッドヘ。

そのまま子守唄が夢へと運んでいく。

翌朝、
ひとりで寝たはずなのに、
腕まくらの中。

「おはよう。」の、
声を聞くまで、
そのままじっと寝顔を見つめる。


別の年の夢は・・・

クリスマスの頃のコンサート。

ステージから、
みんなに手を振る中、
特別な合図で、自分だけに手を振る。

お返しの手を振る仕草は指定済み。

それは
◯◯◯して手を振ること。

「これなら誰もわからないから大丈夫!」と、
素直に従うと、
確かに誰も気づかない。

でも、ひとり身体の内から、
灼熱の恋の炎に襲われる。

汗を嫌ってジャケットを脱ぎ、
素肌の二の腕がほろりとあらわれる。

「やった!」と、
誰かの心の声の視線が突き刺さり、
さらに灼熱の恋の炎に焼かれる。


今年のクリスマスイヴは?

自慢はしないけど、
過ごしてみたいサンタさんとのイヴの日。

ただ見つめ合えれば、
それでいい。
それだけでいい。
それだけがいい?


(制作日 2021.8.16(月))
※この物語は、フィクションです。

今日は、
まもなく記念日を迎える
ASKAさんのアルバム『SCENE』の
ブックレットにある散文詩を参考に、
クリスマスイヴのお話。

参考にした散文詩には、
タイトルがないので、
ここでは、冒頭の数行を書いてみます。

~~~~~
イヴの夜
窓をたたく雪がリズムをつくり
街をぬける風がソングをかなで
そして
ヒロインは 私でした
~~~~~

このつづきは、
ぜひアルバム『SCENE』を買ってお読みください。

今日のお話は、散文詩のつもりです。

(ニックネーム)
ねね&杏寿
(旧ひまわり&洋ちゃん)
(Instagram)
https://www.instagram.com/himawariyangchiyan/

~~~~~~

参考にした散文詩を掲載先
ASKA アルバム
『SCENE』
(1988.8.21発売)

〈収録曲〉
01.伝わりますか
02.蘇州夜曲
03.予感
04.MY Mr.LONELY HEART
05.夢はるか
06.SCENE
07.ふたり
08.今まで
09.最後の場面
10.MIDNIGHT 2 CALL

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