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私は私を友達にしたくない?

私は、どうも穏やかで温和に見えるらしい。よく、なんでも許してくれる、とか言われてきた。優しそうな顔してる、とか。かなりきかん気なことを言っていても、意外にそうも取られず、会議の席などでは、わりと意見が通ってきた。たしかに正論言ってる、と言えばそうかもしれないけども。

今朝、なぜか秘書という仕事について考えさせられる機会があった。思い出すことがある。なんとも切ない思い出。

新任で勤めた学校で、初めからよくしてくださった先輩がいらした。しかも同じ国語科。学年が違うのに、何かと目を掛けてくださり、2年目、その先生が学年主任を務める学年の学年団に入った。ほぼほぼ先生付きの仕事をしているみたいに、先生が仕事をしやすいように、いろいろな雑務をこなしていた。まあ、使い勝手がよかったのだろうし、別に自分の授業に差し支えるほどではなかったから、むしろ、失敗できない仕事を任せてくださった。

何がいったいいけなかったのだろう?ある日突然、冷めてしまったのである。ほかの先輩の仕事をサポートしていて、その先生が、「有能な秘書がいていいねえ。」とおっしゃったらしく、その話をした、小学校の校長先生の奥様が、「先生なのに、秘書扱いされて、いい格好して、仕事引き受けるから。」と表現されて、先輩は、そんな先生ではないことを知っていながら、なぜか、気持ちが塞いでしまったのである。

言葉、って、ときに凶器になる。先輩が、どれほど生徒を思って、身を粉にして働いていらっしゃるか、経歴や才能から言えば、こんなことしていいのか?というほどの方が、雑務も手を抜かず、しっかりこなしておられた。誠実で緻密。鋭い方だった。

でも、なぜか突然、動けなくなった。

たぶん、教師として、自立するときだったのだろう。誰かについて、誰かを目標にして、ではなくて。一方、一年後には、退職することが決まっていた。

私は、いつも国語科の先輩というと、その方を思い出す。誠実で、仕事ができるからか、周りから誤解されやすくて、なんで?と思っていた。ちょっと寂しい想いもしながら。

わりと自分の感情と付き合うようにしている。誰かと対立しそうになっても、できるだけ身を交わす。スルーする。気にしないように。ただ、それがうまくいかなくなると、いくらなんでも、みたいに、私の場合、爆発、ではない。まるでナイフでスーッと切るように引いてしまう。

先輩とは、そういうんじゃない。

ただ、思い出した。結婚式にだって、一番きてほしかったし、感謝していた。繊細だから、私がしんどいんだな、ということにも、気付いてくれた。鈍感な人に、繊細な人の繊細さはわからない。私は、先輩の繊細さが好きだった。

ある人も、私なら許してくれる、頼りになる、大丈夫、と思っていたのだろうと思う。でも、キャパはある。私は、長女で、あちらは次女だからかもしれない。

ある日突然、許せなくなる。結局、自分の気持ちにウソついて、後回しにしたツケが来ているだけなのだろうけれど。

だいたい、この人は、大丈夫、なんてこと、あるのだろうか?

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