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大学のときの話

私は阿呆である。

某小説の一文で言うところの
「救いようのない阿呆」である。

大学時代、所属していたサークル都市計画研究会では「部室の座敷童子」と呼ばれ、昼休憩、授業後、なんなら授業中も部室に入り浸り、低俗な話しにうつつを抜かせては、周囲を困惑させていた。

たまに授業へ出ると、何故かその時に限り教授にあてられるという災難。

見事に誤答し、教室から退席したことは言うまでもない。

家に友人を招きお好み焼きパーティーをやれば、トッピングの鰹節をばら撒かれ、家カラオケをやれば、隣の部屋から「うるさい!」ではなく「下手くそ!」と怒鳴られたりと散々たるものであった。

挙げ句の果てには、私の知らぬ間に部屋の上階に実姉が住み着く始末。憧れの一人暮らし生活は脆くも崩れ去った。

なんと怠惰で憐れな大学生活。

私が思い描いていたキャンパスライフとは真逆なものであった。

なんとしてもこの現状を打破しなければ。

充実した大学生活を送るため、少ない知恵を振り絞り、試行錯誤する日々が続いた。

考えすぎて、時には知恵熱が出てしまい授業を休むこともあった。
決して授業がめんどくさくなって休んだのではない。決してだ。
出席票を記入してくれた友人に心からの感謝と言葉を送った。



次回も頼むと。





2009年の秋ごろ。とあるテレビ番組を観た。

番組名は『24CH△NNEL』
テレビ朝日系列で放送されていた深夜番組だ。
KinKi Kidsの堂本剛が出演し、自身が100の叶えたいことをただただ実現させていくドキュメントバラエティであった。

例えば
・ウサギの格好で満月を見てみたい。


・UFOをみる。

・屋形船で宴会し日本の未来について考えたい。



圧倒的くだらなさ。まさに深夜番組のお手本のような番組である。
番組自体にスポンサーが付かず#24で打ち切り終了となってしまったが、内容のシュールさとインパクトたるや凄まじいものがあった。

凡人共は、この放送を見ておそらく面白かったで済んでしまうであろう。

しかし、私は阿呆である。
その辺の凡人とは格が違うのだ。

これを観て閃いた。

せっかくの大学4年間の生活。今ここで楽しまなければ将来社畜になって延々と仕事に励み、禿散らかし、小太りになり、朽ち果てるだけだ。

今のうちにできることをやっておかなければ。

すぐに手帳とペンを取り出した。





これが当時私の書いた「大学時代にやっておきたい100ことリスト」である。

簡単にできるものや大掛かりなものまで、今しかできないことをとにかく書き連ねた。

このリストに記載した項目を大学生活のうちに全て完遂する。

壮大であまりにもバカバカしい計画に力を注ぐことを決意した。


翌日大学に出向き、早速友人達にこのリストを見せたところ、苦笑され、呆れられ、まるで何事もなかったかのような会話が続いた。

友人達はおそらく私のこの計画に巻き込まれることを察したのだろう。

その通り、大正解だ。

感の良い奴らめ。

運命共同体で全員を巻き込み、共倒れの道へ進むよう考えていたが見事に玉砕された。

しかし、この計画に一人だけ乗ってきた強者がいた。

通称:あほんだら星人
口癖は
「私、悩みがないことが悩みなんだよね。」 

まさにあほんだらである。
私に匹敵する相当な阿呆である。

ちなみに上記で話した鰹節ばら撒き事件の犯人もこのあほんだら星人である。

私はこの阿呆を巻き込み、計画を実行することにした。

ここで私が実行した100のリストと実施してみての感想を一部ご紹介しよう。

10.原宿に行って買い物をする。
⇒私の記事「スニーカーの話」をご一読いただきたい。これ以降、原宿へ出向くことにかなり抵抗を感じるようになった。

18.このアニメを実写化したらを考える
⇒「ワンピース」を実写化した時のキャストについて検討。友人3名と深夜23:00時討論開始。終了したのは翌朝8:00であった。
意外と盛り上がったが、ナミ役が長澤まさみか上戸彩かで友人が2時間揉めた。

26.鎌倉へ行き日本の観光地を知る。
⇒北鎌倉をはじめ、炉端焼き、Bar「THE BANK」を堪能。その後、徹夜でカラオケを行いback numberの「高嶺の花子さん」を大熱唱。

28.1週間パスタだけで過ごす。
⇒なぜこの企画を思いついてしまったのか未だに疑問である。3キロ太った。最悪だった。一方で、究極のナポリタンを作ることに成功。ここから急激に太り、デブ道を歩むことに。今後二度とやらないと決意。

68.「名探偵コナン」を観て、コナンよりも先に事件を解決する。
⇒無謀な企画であったが、1度だけ謎を解くことに成功した。見たか江戸川よ。これが阿呆の底力なのだ。その後、謎解きゲームにハマるきっかけとなった。

71.他大学の食堂で、何食わぬ顔で定食を食べる
⇒専修大学のAランチ定食を食べた。専修大学のレベルの高さを実感。我が大学よ、カレーを推してる場合ではないぞ。周りを見るのだ。

80.スプーンを曲げる。一瞬にして。
⇒超能力番組を観て私もできるだろうと思い挑戦。結果、成功した。特技にスプーン曲げが加わった。もしかしたら私も超能力者なのかもしれないと謎の自信がついた。

86.めちゃくちゃ辛いカレーを食べる。水なしで。
⇒江古田にあったカレー屋の激辛カレーに挑戦。見事水なしで制覇。翌日お尻に激痛が走り、無事死亡。

他にもまだまだあるが、一応ここまでにしておこう。

結果として、大学時代に83/100個達成した。

我ながら上出来である。

ちなみに卒業後もいくつか達成しており、現在87個達成していた。

この計画のおかげで、バカバカしくもそこそこ
充実した大学生活を過ごすことができた。






のかは甚だ疑問である。

まあそんなことはどうでも良い。

大事なのは、やってみたいことを言葉として書いてみて実行することなのだ。

それはこの年齢になっても変わりないことなのである。

もう若くないからとか、今更無理だとか、やったら恥ずかしいなんて思うことなかれ。

そこには、この阿呆もいるのだから。


達成していない残り13個は、ゆっくりと達成することとしよう。

その時はあほんだら星人も召還し、さらに人を巻き込みで壮大な巻き込み事故をお見舞いさせようと思う。



諸君、心して待たれよ。

おわり。

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