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撮られた花嫁たち〜古写真から見るウエディング・ファッション


はじめにお断り。

これからお見せさせていただく写真は、いわゆる古写真です。

人伝に手に入れたものなので、権利が曖昧になっています。

そのため、本来はそのままお見せしたいのですが、ネット上という場を鑑みて画像を加工いたしました。

以前はそのままアップしていましたが、ご指摘をいただき、著作権や肖像権に配慮したものを再アップさせていただきます。

前からご覧いただいていた方々には、こちらの勉強不足でこのような変更を施すことになってしまったことを申し訳なく思います。

どうかこれらの事項をご了解の上ご覧ください。



とても誇らしげに神社の回廊でポーズを撮る花嫁。

女性にしては立派な体躯で、姿勢もしゃんとしています。

実は私、100枚以上こんな写真を持ってます笑

京都市内の今も続く歴史ある写真屋さんが試し撮りしたものなんでしょうか。

旧蔵者様のお話では、日本髪を結う職の方が資料として持っていたそう。

ずっと私もしまったままでした(←コラっ)が、noteクリエイターのkumokichiさんが「江戸のウエディング衣装、どうでしょう」とご提案いただいたのを機に、存在を思い出しました。

是非皆さまにも見ていただきたいな、と思いシェアさせていただきます。

鑑賞のポイントとしては、

①表情と体格
②着付け
③文様と色合い

に絞って見ていきます。

長いので、お気軽にお付き合いを〜。

あ、あとパソコンやタブレットのほうが写真がきれいに見えるかも、推奨です。


かなり撫で肩な花嫁。落ち着きある表情です。光沢ある打掛には扇面などがあしらわれます。


宮崎あおい風?美人。けっこう細身に見えますね。綸子ぽい白地に藤や青海波文様など。


にこやかな花嫁。肩はけっこう広め。末広がりな打掛がステキ💓



こちらは洋装でお越し。幸せいっぱいの愛嬌あるお顔。ブーケみたいな凝ったドレスです。



風変わりな装いの花嫁。扇のような形の髪型です。この透けた打掛は夏仕様?


古風なお顔立ちの花嫁。体躯と着付けのバランス良し。明治大正風の染料を用いた着物です。



伊東深水の版画を彷彿とさせる一枚。この方は胸がけっこう張ってる?鹿子を用いた黒地がステキ。


外で撮られた写真、後ろの蔦の洋館が気になる…。花嫁は少し頭が前に倒れ気味、猫背です。菊大輪や鹿子の文様がいい味出してます。


中々鼻筋の通った美女です。左腕を遊ばせているのがまた粋ですな。この衣装はすごい!菊・楓の豪華な染めになっています。


温和な笑みを浮かべる花嫁。肩は張っていますが、ピシッと着付けされております。鶴に松、黒地という渋い衣装です。



丸顔がかわいらしい、ふっくらお嬢さん。全部白無垢というピュアぶりです。帯揚げまで白ってすごい徹底してますな…。


すらっとした細身のモガ。和装ながら洋の香りを漂わせます。テッセンや牡丹などが染料であしらわれています。


きれいな撫で肩の花嫁。ポーズに乏しく、緊張した面持ちです。打掛の紋様はなんだろう?紐のついた扇かな。



怒肩の花嫁。場所は多分平安神宮。打掛が落そうなくらい肩は小さいです。亀甲紋様の綸子が入った白地の打掛が素敵😄


上目遣いの笑んだ花嫁。当時の平均的な体格?文様は白抜き、地は黒になっていてよく目立ちます。


化粧の乗りが美しい、現代風花嫁。肩や胸は張っていますが、お着物と相まって豪奢な印象が。そのお着物は、立涌文など錦刺繍をえた染めが展開されます。


こちらも現代風、お目目ぱっちりな花嫁。体躯は少し小さめかな。菊や梅を細かく配した染めが美しい。


地毛で参戦?の花嫁。肩はかなり大きいと思われます。やはり染料を用いた、ふんわりモダンなお着物。


こちらも細身な花嫁。ただ着付けは下に行くほどふんわり広がっています。お着物は裏地に巨大な亀甲文も見られる大胆さ。


きれいな丸顔の福々しい花嫁。お身体は意外?にもほっそりしています。お着物は染料を用いたモダンな洋花のデザインです。


後ろに松、そしてお着物にも松の花嫁。案外体格はがっしりしてそうで、着付けもゆとりがあります。お着物は友禅染めらしい、白と黒が交互に現れるもの。


舞妓さんみたいな赤ちゃん顔のお嬢さん。肩は少し怒っているようですが、お着物では違和感なし。牡丹を中心にした豪奢なお着物です。



若い頃の荒井由実風な美少女。肩は大きめ、モダンな体格ですね。扇面をあしらった素敵なお着物(ユーミンも着てそう)。


モダンなバルコニーに佇む花嫁。良さげな体格と着付けがフィットしています。文様は藤・橘・紫陽花、実に豪華です。



仲間由紀恵風?美女の花嫁さん。8等身モデル体型ですね。白菊を細かく散らしたお着物がお美しい😍


京町家か茶屋の店先に佇む花嫁。温和そうなお顔立ちがいいですね。鳳凰に牡丹という豪奢な組み合わせのお着物。


とっても晴れやかなお顔立ちの花嫁。お身体は大きそう、着付けも美しいです。お着物は嵯峨菊かな?これも華あり。


お疲れ様でした!

この企画、最初はKumokichiさんのリクエストに応えて江戸の花嫁衣装をやりたかったんです。

でも、江戸時代結婚式というのはまるで派手ではなく、また秘匿される要素が強かったため、ほぼ絵画化はされませんでした(川原慶賀くらい)。

日本画でも、鏑木清方や上村松園がわずかに描いているくらいでした。

一方写真界では、お見合い写真や、花嫁衣装写真としての需要があり、「撮られるための花嫁衣装」が発展したのでは、と私は思っています。

撮られた花嫁たち、嬉々としたお顔の方もいれば、緊張した面持ちの方、色々といらっしゃいましたね。

その後どうされたのか、知る由はありませんが、私の手物に残された写真たちは、幸せに向かおうとする彼女たちの一瞬を捉えています。

最後までご覧いただきありがとうございました!


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