⑰お山座りハブかれる『面前DVの後遺症』

高校卒業間際

3年間

お友達だと

思っていた

子達が

私から

離れて行った。

理由は

何となく

感じた。


私はずっと

長袖を着ていた。

自傷の後が

目立つから。

夏も

薄いロンTを

着ていた。


体育祭で

クラスTシャツを

作る事になった時

私だけ

袖あり

を注文した。

選べたから

選んだだけ。


ある時

「何で長袖なの?

揃えようって言ってるのに。」

と詰められて

腕を見せ

こうした理由を

話した。

家庭環境も父の事も

お友達だから

そっか、分かったよ

って

言ってくれると

思ったから。


そんな

甘くなかった。


皆は

顔を引きつらせた。

そのうち

何となく

距離が出来ているのを

感じた。

遊びに誘われなくなったり

私の知らない

皆の近況が

皆だけで

共有されていた。


皆でお泊まりもしてた。

私は

誘われなかった。

体育館での

集会で

いつも

皆は固まって

1番後ろに並ぶ。

学校に行くと

皆は

遅刻していた。

私は1人で

いつものように

列の1番後ろに並んだ。

皆は

集会中に

入って来て

ちゃんと

自分の場所に

入って

並んだのだ。

その時

初めて

皆が

お泊まりした事を

知った。

そして

後ろにも

並ばなかった。

高校生の私は

悲しかったし

恥ずかしくなった。

ハブかれてる。


何で?

と考えたけど

あ、そっか。


すぐに理解した。

面倒臭い。

腫れ物に触るみたいに

関わらないでおこう。

気持ちを

分かって

あげられないから。

下手な事は

言わないでおこう。

あの腕

ヤバい奴。


と。

私何か

言ってしまったかな

とか

色々考えてみたけど。

あの日の後からの

様子を見てると

府に落ちた。


今後

もう二度と

自分の事を

話すのは

やめよう。

と、

心に決めた。


就職活動を

姉がいる県で

する為

バスで

他県に通っていた。

面接が終わり

夕方のバスで帰る時

地元に着く電車が

夜遅い為

家に

遅くなると

電話すると

「そんな遅い時間になるなら

帰ってくるな。

鍵閉めてる。

近所迷惑だ。」

と言われ

電話を切られた。

その日は

姉の家に泊まった。

『あんな家帰ることない。』

姉が言ってくれたのが

嬉しかった。

嬉しくて

歩きながら

泣いた。


卒業式が終わり

夕方

家を出た。


これでやっと

自由になった。

怖い音や

怖い顔を

見なくて済む。

私のことを

誰も知らない

場所に行ける。


心から

新しく

生活が始まる。

と、

そう

思って

疑わなかった。


やっぱり

甘かった。


面前DVの傷

腕を切ったくらいじゃ

ビクともしない事を

これから

社会に出て

思い知らされる

事になる。




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