郵便屋さんの赤い車

消防車は赤い。郵便車も赤い。二つの赤は同じ赤だと思っていたけど最近は違うような気がする。郵便配達の軽自動車はどれもくすんだ赤紫といった感じの赤に見える。

郵便局にたくさん並んでいる郵便車を眺めていたら、どうやら変色してしまったようだと気が付いた。まだきれいな朱色もあれば、天井部分が日焼けして薄くなり、足元に近づくほど色が濃くなっている車もあった。スライドドアだけが鮮やかな車は事故で板金修理したのだろうか。
もともと赤の塗料は退色しやすい。でも昔の郵便車はこんなに色褪せていなかったような気もする。並んでいる郵便車はそこまで古い車に見えないし、むしろ消防車の方が何年も使っていそうなのに色がきれいに見える。

もしかして民営化の折に塗装の質をケチったのか車検で塗り直していたのをやめてしまったのか。言われてみれば郵便車が色褪せたって配達の質は変わらない。でも街で見かける郵便車が見すぼらしいと、何となく残念な気持ちになってくる。
たぶん郵便車は一企業の社用車を超えて、昔から街の風景に溶け込んでいるからだと思う。ハードルが高いような気がするけど、もう少しだけ景観配慮してくれてもいいのかなあ。
無駄は省けばいいってものじゃないね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?