プログラマとの付き合い方

iPhoneでもWindowsでも長く使っていればわりと頻繁にアプリがアップデートするのを経験します。アプリだけじゃなくてOSもそう。バグの修正はもちろん、細かい仕様を変えることでユーザーの使い勝手をアップしたりクライアントの要望を叶えたりしていて、それが当たり前だと思っているのではないでしょうか。

わたしが携わっているプログラムをインストールする装置は1点物で毎回設計が入るのですが、基本的な部分は同じものです。実績のあるプログラムを入れればたいていは動くものの、ちょっとしたバグに気づいたり、こうしたほうが上手く動くなんてことに気づいたり、新しいガジェットに合わせて作り方を変えたり、プログラムにはわりとアップデートが入ります。それだけ元の完成度が低いとも言いますが。前回より今回、今回より次回のほうが進化するのは当たりまえです。

リピート買いしてくれるお客様は製品を見て、あるいは仕様書を見て変わるところに気づくことがあります。たいていは改善しましたで済むのですが、中には執拗に理由を訊いてこられるクライアントもいます。「ここの部品、前はこれでしたよね」「このプログラムステップが入ったのは何故なんですか」「以前の装置は大丈夫なんですか?」。その場の雑談ならまだ良いのですが、酷いと話が飛躍して「変更した理由を報告書にして定例会で説明して下さい」なんてことにもなりかねません。

たぶん熱心なんだと思います。細かい仕様変更に気づき、それに興味を持ち、質問して理解しようって思うクライアントは頭が良いのでしょう。バグと思えば、以前に導入した装置に問題が無いか確認するもの当然です。

でも、作る立場で言えばこれが結構ウザい。プログラマはいつだって使いやすく安定した製品になるように仕様を見直していて、どちらかと言えばお客様に喜んでもらえるように改善しているのです。良かれと思って気を利かせた変更に疑いの目を向けられ、余計な仕事を生むと正直うんざりします。仕事を依頼した客として、アウトプットが思った通りにできているかチェックするのは大事ですが、アプローチにまで口を挟まれるのはちょっとね。

いきおい「あのお客は五月蠅いから前作の完全リピートね」。という話になったりします。正直ラクなんです。3年前の技術で、3年前の部品を使い、3年前に作ったプログラムを入れればいい。クライアントから貰っている要求仕様書からはズレていないし、わかっている不具合をこっそり直してできあがり。

でも、それでいいのかなとは思ったりします。プログラムに限らず、デザインなどもそうです。誰かに仕事を依頼するとき、彼らのポテンシャルを引き出せるかどうかはクライアントのやり方次第ってところもあるのです。

うまく、付き合って欲しいですね。



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