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第十四回 ヒマラヤなんちゃって句会         「ヒマラヤ苺」等々発表!!


Twitter@himahira19で行っていた句会の結果発表を5日間にわたり行います。5日間の日程についてはこちらをご覧ください。
                                 「ヒマなん句会」に投句された皆様へ

はじめ二か月おき開催は間延びするんじゃないかとか、忘れられるんじゃないかとか、色々考えましたが今回総投句数はなんと全146句!!
大幅に最高投句数を更新しました!ありがとうございます!

ここで宣言します!
次回全投句数150句を超えることがあったら、「新しい賞」を設けます!
今のところ「ヒマラヤ天 地 苺」が、俳句生活の「天 地 人」にあたるので、「佳作」にあたる賞を増設することを検討しています。
発表も全曜日埋まりますし、「ホントはもっと賞をあげたいのに」という欲求も満たされます。
賞の名前は検討中ですが、俳句初心者の方にもこんな句会でも受賞の喜びを味わっていただけるかなと思います。ヨカッタネ

ところでですけど、今回のお題の写真は万里の森さんが「俳並連のグループDM」で、ご旅行か何かで見かけた銅像の写真をアップしていたのを、もうまっしぐら!一目惚れしました。
投句期間中は十月だし、月百句チャレンジしてる方もいらっしゃいますし、
写真かっこいいし、ぴったしなお題じゃないですか?
速攻ご本人様に許可を頂いた次第であります。その節はどうもです。

今回も色んな俳句が出そろいました!さっそく各賞の発表をします!!


                                  投句一番乗りの一句!!「ヒマラヤ一番星」はホントに早かった!!

ヒマラヤ一番星

歌姫は像に蛙は細き月に    いかちゃん

 


そして全投句のちょうどど真ん中!「ヒマラヤバットマン」です!


ヒマラヤバットマン

吸血鬼すべて呑み込み秋夜明け    猫髭かほり



ちょうど投句100句目(こちらの事務処理基準)だった句にお送りします!


ヒマラヤ百式

酔芙蓉ソプラノ空に満ちわたる   紗羅ささら

                 
                 
     

     このみっつの賞は、ほかの賞の候補にもなりますので、          今日も明日以降も要注目です!

それではどんどん行きましょう!「ヒマラヤ苺」の発表です!


「苺」は極力六行で感想を書き終えるという鉄の掟が一応あるのですが、
ホント書き足りない句ばかりでまいっちゃいました。
なんでそんな掟つくるのかっていわれたらそれは際限なく書いちゃうと
「地」とかわらない文章量になってしまうとなんかかっこ悪いからです。
尻切れ感想文になってるかもですが、どうにか判ってください。

                                        

深呼吸したら月吐き出したかも    月岡方円

                                 「息を吐くように嘘をつく」なんて言葉がありますが、この句は全く真逆のロマンティックな一句です。我々は兼題写真を見ていますからあの女神像の深呼吸かしら?と思いがちですが、誰がという部分は書かれていないのでひょっとしたら、ボクの深呼吸かもしれないし、好きな人のため息かもしれない・・・。月を吐き出すという事の意味とは、それは一体なにを示しているのか。美しくも艶やかに想像を刺激させてくれる一句でした。

                      銅像に錆月光のバグとして ツナ好

                                  錆というものは、銅像のではなく月光のバグであるという把握が目を引きました。と、いうのもこの句ですと「銅像に月光が当たらないと『錆』という『バグ』が見えない」ということになります。錆は月光を当てないと見えないのか?いや、昼間だって錆は見えているはずです。月光が銅像に当たらないと『錆』を『バグ』と認識しないという事になるんだと思います。
『月光』が正体を見破るのです。ロマンチックじゃないですか?


舌に朧を乗せるような発音 ギル  

         
これは一体どういうことなのでしょうかね?ボクが想像したのは、
「甘いささやきのフランス語」転じて「甘いささやきの東北弁」?
とにかく甘いささやきを想像しました。季語である朧の使い方、把握が違うのではと一瞬よぎりますが、ボク自体は季語の解釈を自由に(勝手に)感じたままを詠む人ですので、あっさり許容いたしました。そうして考えるとなんという美しくもはかなげな詩的解釈でしょうか。

羽だった場所がむずがゆい月光  DAZZA

                                  今度はなんともリアルな一句ですね。「翅」でも「翼」でもなく、「羽」。
もっというと「羽根」でもないのです。正しい把握かどうかわかりませんが、どこか軽くふんわりとしたそれほど大きくないものを思わせます。
これで飛べるの?と疑わしくなるような「羽」が肩甲骨に実はかつてあって、月夜にむずがゆくなるのはかつての名残を本能が思い出しているのでしょうか。一体もともとどういう生き物だったのでしょうね。

月光の流れる河を砂の舟 さぬいち

                                  風流であるというか美しい一句ですね。女神像の側には河があって、
そこには水ではなく月の光が流れていて、その上を砂の船が行くという、
なんと幻想的な景をお詠みになったことでしょう。童話のようです。
月あかりを受けた河の水面かもしれません。そこに絶対崩れてしまうような砂の舟が頼りなく輝く河を滑りゆく姿を眺めるしかできない作中主体は一体何を思うのでしょう。「きれいだねぇ」だけではないはずですよね。

全身でわたしを褒めよ月光よ   村瀬っち

                                 Twitter俳人と言われる人はどこそこで選を得ると途端に呟きます。
まぁそういうところですしね。大いにやるとよいのです。と、なかなか選ばれないボクはニヒルに思うのですが、こういう風に言われると兼題の女神像がどこかで「特選」をとった喜びを身体で表現しているようにみえて面白いものです。~よ~よのリズムも軽く、どこかエラそうで滑稽味もあるのですが、なぜか哀愁も感じます。季語「月光」のおかげでしょうかね。

観月や世界記録のわんこそば    イサク

                                   俳人かもしれない女神は、とうとう「わんこそば」をも制覇しました。
こういう風に言われると兼題の女神像がわんこそばをかっ喰らって、優勝の雄たけびを上げているようにもみえてくるから面白いものです。実際季語「観月」の頃にわんこそば世界大会が開催されているのかわかりませんが、ただ、わんこそばの世界記録のしみじみとした華やかさによく合うと思いませんか?こんな発想の飛ばし方ができるのかと感心してしまいました。

高飛びのダイヤはここよ月の舟     みずな

                                  俳人、女神様はわんこそばを制覇したその後、盗賊団の首領にでもなったようです。判る方はいらっしゃるかどうか知りませんがイメージ的にはドロンジョ様でしょうか。こういう風に言われると兼題の女神像が部下たちに「高飛びの(費用にする用の)ダイヤはここよ!と言っているようにも見えてくるから面白いものです。砂の舟では沈んでしまうからと用意したのは月の舟だったのでしょうか。とことんオシャレな盗賊団のようです。           

                                                                                                       

あめりかもろしあもねこも月仰ぐ   げばげば 

                                 「あめりかもろこし」とは一体・・・?から始まりましたが、落ち着いてよく見ると「あめりか も ろしあ も」でした。もうなんでひらがななのよ!というツッコミは無粋であって、作者の意図がそこにあるのです。
童話のような、児童文学のような柔らかさ、「ねこ」と季語の「月仰ぐ」のやわらかさと不思議な心地ちを味わうことができます。中島みゆきの「お月さまほしい」という楽曲と併せて味わいたい風味の一句です。 
                     


とりあえずここに三日月置きました 常幸龍BCAD

                                  「とりあえず」という斬新な上五。何の用事があって一体だれが三日月を置いたのでしょうか。やっぱりあの女神像でしょうかね?「置いといた」でも「置いてみた」でもなく「置きました」という措辞の柔らかさがなんとも女神的。理由はやはりさっぱりわかりませんが、きっと女神様も理由はあんまりないんでしょうね。とりあえずですし。こういう風に言われると兼題の女神像がどこかすっとぼけた人のようにみえて面白いものです。


此の月はサン=テグジュペリの一文    たーとるQ

                                 「星の王子様」というのはだいぶ有名なお話ですよね。サン=テグジュペリさんというのはそのお話の作者です。一読するといわゆる「近いな」と思わなくもなかったのですが、最後「一文」とこの句はしめられています。
夜空に輝く月の白から、さっと「星の王子様」の本に視線が移るようなカメラワークが月のように神秘的でさわやか。「星の王子様」の内容を思うと、
この句の哀愁をさらに感じられるような一句です。

                      オフィーリアの秋旻わたくしの愛 卯月紫乃

                                  オフィーリアは多分、シェークスピアのハムレットの登場人物ですよね。
うろ覚えでしたのでちょっと調べました。なんやかんやあって川で溺れた悲しい女性です。不思議とこの兼題で川を思って詠まれた句が多かったですね。この句は「わたくしの愛」とした句の終わり方の余韻が特に目を引きました。難しい言葉や使わないような言い回しで小難しく詠まなくても、
人の心をがっちりつかめるというお手本のような句でした。

三日月もうなずいてるよ綾子ちゃん   鈴音(りん)

                                  綾子ちゃんってだれ?プロゴルファーの綾子ちゃん?おしんの子役の子の名前も綾子ちゃんだったような。「ちゃん」で呼ばれるからには、おそらく小さい女の子なのだろうと思います。母親が夜道に子供の手を引いて呟いている句なのでしょうか。ちびっ子の綾子ちゃんはなにかにつまづいていて、
他の子と上手くいってないのか、なにか夢につまづいているのか、ただひたすらに綾子ちゃんの親と三日月の優しさが染み入るような一句です。

蟷螂が枯れます雄がいないから     恵勇

                                  不思議な味わいの一句でした。「蟷螂枯る」という季語で苦労したことがありましたが、よくよく考えると蟷螂と秋に出会うという事は、雄は雌に喰い散らかした後かもしれなくて秋は雌の蟷螂ばかりなのかもしれませんね。
雌は雄を喰ったために寂しくて茶色くなってしまったかもしれないという把握は切ないですね。実際蟷螂は茶色く変色するわけではありません。
「蟷螂枯る」という季語の本意にも迫った意欲作!かもしれません。

天高し地球はいいわねダサいけど おかげでさんぽ

                                  大きな規模の大きな一句ですね。
ピンクレディの♫地球の男に飽きたところよ~あ~ん♪を思い出しました。
俳人でありわんこそば世界記録フォルダーであり盗賊でありすっとぼけたどこか人間臭い女神は、大分地球を気に入ってくださってるようですね。
倒置法的な語順の効果が効いてますね。下五ダサいけどで終わる俳句がかつてあったでしょうか?こちらも大胆で奥深く、滑稽味のある一句です。



以上になります!                          明日は皆さんの感想文をご紹介させていただきますので お楽しみに!! 

             

第十五回 ヒマラヤなんちゃって句会


投句受付は12月5日(月)~12月31日(土)です!!
もう募集中ですよ!忘れないでねー!!

第十五回 ヒマラヤなんちゃって句会 投句募集のお知らせ!!

ヒマラヤなんちゃって句会の今後について


第十四回 ヒマラヤなんちゃって句会

「ヒマラヤ龍」発表!!   
「ヒマラヤ地」発表!!
「ヒマラヤ天」発表!!

ヒマラヤなんちゃって句会 アーカイブ
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選句 本文 編集/ヒマラヤで平謝り 
兼題画像/万里の森         
SpecialThanks/髙田祥聖 カニくん

お試しで作ってみた項目ですので、本当にサポートしていただかなくてもいいのですが、万が一なんとなくそんな気分でしたら・・・!