「多様性」「社会との繋がり」「創造性」を大切にする方法(何とかならない時代の幸福論)
鴻上尚史、ブレイディみかこ著「何とかならない時代の幸福論」を読みました。
以前、ブレイディみかこ著「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読みました。ブレイディさんの身近な体験から、多様性やシティズンシップ教育について考え理解が深まり、印象的な本でした。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の著者ブレイディさんと、作家演劇家の鴻上さんとの、コロナ禍で収録した対話をもとに書かれた「何とかならな時代の幸福論」。本屋で平積みされているのを見かけて、手に取りました。
本書もハッとする文章が多く、自分の振舞いや価値観を見つめながら読みすすめました。
世間と社会
本書で「世間」と「社会」について語られている箇所がありました。
「世間」とは、自分と利害関係がある人たちのこと。「社会」とは、自分と全く利害関係のない人たちのこと。
日本人はこれまで「世間」とばかり付き合ってきたけれど、これから価値が多様化するなかで、「社会」と繋がらざるを得ない状況にあると書かれていました。
「世間」と「社会」という言葉の違いについて、私はこれまであまり考えたことがありませんでした。この2つの言葉を意識することで、多様性が高まる中で自分と利害関係の無い他者とどう関わっていくか考えたり議論したりしやすくなると思いました。
私の場合は、仕事仲間や友人関係など「世間」との繋がりはある一方で「社会」との繋がりがほとんどないと気が付きました。
以前、「ぼくはイエローで…」を読んだ際に大切だと感じた「自分が属する社会/自分を取り巻く社会がどうあると幸せでいられるか」という視点を改めて意識して、「社会」との繋がりを作っていきたいと思いました。
常に、より上位の目的を考える
学校の校則について書かれた箇所で、無意味な校則を撤廃した麹町中学校の校長先生の言葉「常に、より上位の目的を考える」が紹介されていました。
校則を守るという目的よりも、学校なのだから勉強するという目的が上位の目的になるという考え方でした。
この言葉は、無意味な校則についての文脈で紹介されていましたが、仕事や人生においても、大切な考え方だと感じました。
相手から何か依頼された際、その目的を考えることは勿論ですが、その目的よりも上位にある目的は何かを考える習慣を付けたいと思いました。
クリエイティビティの目覚め
ブレイディさんが保育士の資格を取った際、「クリエイティビティの目覚めというのは、人と違うことをやってみようという意識の芽生えのこと」と習ったという話がありました。
「みんなと同じようにしましょう」「わがままはいけません」と言われたり、感じたりしながら育ってきて、「人と違うこと」は良くないことだというイメージを少なからず私は持っていました。
頭では、「個性を大切にしたい」「短所は補い、長所を活かしあえるような関係を人と築いていきたい」と考えていても、異質な考え方をする人や自分勝手な人に対して、「みんなと同じようにしてほしい」「わがままを言わないで欲しい」と心が感じてしまうことがあります。
しかし、本書を読んでいて、なにか新しいアイデアを生み出したり、新しいやり方を生み出したりするためには、「人と違うこと」「わがままであること」はすごく大切なことだと気が付きました。
まとめ
「多様性」「社会との繋がり」「創造性」は、これからの社会を生きるためにも大切なキーワードであり、私自身も大切にしていきたいテーマです。
「自分が属する社会/自分を取り巻く社会がどうあると幸せでいられるか」という視点を改めて意識して、「社会」との繋がりを作ること。
相手から何か依頼された際、その目的を考えることは勿論、その目的よりも上位にある目的は何かを考える習慣を付けること。
なにか新しいアイデアを生み出したり、新しいやり方を生み出したりするためには、「人と違うこと」「わがままであること」は大切にすること。
本書を読んで、感じたこの3つを特に意識していきたいと思います。