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状態遷移図を利用してミスや事故の原因、原因の原因を分析する。(ヒューマンエラ―を防ぐ知恵)

中田亨著「ヒューマンエラ―を防ぐ知恵」を読みました。

以前、映画「ハッピーフライト」を観た際に航空業界におけるヒューマンエラー防止の工夫に興味を持ち、ヒューマンエラ―やヒューマンファクターズという分野に興味を持ったので、この本を手に取りました。

本書では事故が起きるのはそもそもどういう状態か、ヒューマンエラ―を防ぐためには具体的にどのような対策があるかが説明されていました。

その中でも印象的だったのは、「状態遷移図」を利用して事故防止の手立てを探るという方法です(pp.42-46)。

状態遷移図とは、機械設計やソフト設計の際に使われる図で、起こりえるすべての状態と、状態間の遷移を表現した図です。

例えば、簡単な状態遷移図は以下のように3つの状態、どのような入力でどの状態に遷移するかを表した図があります。

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(http://fujimura2.fiw-web.net/java/lang/page-18-1.htmlより)

このような図を利用することで、どの状態からどの状態へ遷移することで事故が発生するか、どの状態の時に事故へ遷移する可能性がある状態かが明確になります。

状態遷移図を利用して、事故へと遷移する可能性を削除したり、事故へ遷移する可能性がある状態の時に警告を出すことで、事故防止を図ることができます。

このように状態遷移図を利用して事故防止の手立てを探る方法は、事故がなぜ起きたかだけでなく、なぜ事故が起きる状態になってしまったのか、事故が起きた原因の原因はなにかを理解するために、便利な手段だと思いました。

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今後、自分の仕事や部署、チームでの仕事で事故やミスが起きた際に、状態遷移図を利用して原因や原因の原因を分析してみようと思います。

また、著者が問題解決の理論を確立する際に影響を受けた本として紹介していた「ライト、ついてますか」という本も読んでみようと思います。