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航空業界でミスや事故を減らす工夫、ヒューマンファクターズ。(ハッピーフライト)

懐かしのコメディ映画「ウォーターボーイズ」や「スイングガールズ」でお馴染みの監督矢口史靖さんの映画「ハッピーフライト」を観ました。トラブル続きなストーリーながら、小ネタや伏線が散りばめられていて2時間飽きることなく笑いながら気軽に観られる映画でした。

作品中のパイロット同士の声かけや整備場のルールなどを見ていると、ミスや事故を減らすための工夫が垣間見えた。例えば、操縦士と副操縦士のどちらが運転の主導権を握っているかを明確にするために、主導権を持っている人は”I have control.”と口に出し、主導権を持っていない人は"You have control."と応答する姿が描かれていた。また、飛行機の整備の際に小さなペン一本ですら飛行機に入り込むと危険なので、工具箱に鍵が付いていたり、一つ一つの工具を入れる場所が工具の形にくり抜かれていたりした。

このようなミスや事故を減らす工夫について興味が湧いたので、少し調べて見たところ、ヒューマンエラ―・ヒューマンファクターといったキーワードに行きついた。航空業界と同じく安全を重視する鉄道業界などでも、ヒューマンエラ―に対処する研究や研修がしっかりと行われているようだった。

1.ヒューマンエラーとヒューマンファクター

JR西日本のサイトによると、ヒューマンエラ―とヒューマンファクターは以下のように考えられている。

●ヒューマンエラ―
システムから要求された作業内容やその時の環境が人間の特性(ヒューマンファクター)とうまく合致せず、システムの期待と異なった作業が行われること(逸脱行動)。
●ヒューマンファクター
システムの中における人間の要因・特性。

ヒューマンエラ―・ヒューマンファクターに関する研究では、SHELというモデルがよく使われており、本人の周りのSoftware(=作業手順、マニュアル類), Hardware(=設備、工具類), Environment(=物的な作業環境), Liveware(=周囲の人)との関係に不具合が生じるとミスが起きると考えられている。

このように、ミスを起こした人を追求したり、責め立てたりするのではなく、なぜそのミスが起きてしまったか原因を追究することが大事にされ、その原因追及のために、人間の特性や周囲との齟齬に関する研究が行われているようだ。

参考:https://www.westjr.co.jp/safety/labs/human/

2.デジタル時代のヒューマンファクターズの重要性

ヒューマンファクターに関する研究のことをヒューマンファクターズと呼ぶ。デジタル時代におけるヒューマンファクターズの重要性についてのTed Talkを観てみた。

このスピーチによると、今後どれだけ技術が進歩しても人間をまとめ上げたり、本当に良いシステムを作るためには、人間のことを理解するヒューマンファクターズが重要だと話していた。

3.ヒューマンエラー・ヒューマンファクターに関する本

今回、インターネット検索だけではヒューマンエラーやヒューマンファクターに関する体系的な知識や事例などの情報が得られなかったので、書籍でもう少し勉強してみようと思った。

読みやすくて内容も充実していそうな次の3冊を順に読んでみようと思う。