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ストレスチェックの憂鬱

ストレスチェックというものがあります。仕事量や、職場での人間関係、はたまた回答者自身の状態を、5段階で回答するというものです。職場で精神的に大きな負荷が掛かっている人の有無を把握する上で、欠かせないものではあるのでしょう。

ただ正直に言いますと、これには毎度毎度、困惑させられずにはいられません。そもそも、その基準や尺度があやふやなものを、直観的に、しかも敢えて5段階のどれかに当て嵌めよ、とは。どう考えても無理な話としか思えないのです。

ただ相手方には、どうにも掴みどころのないものを、無理やりにでも数値化し、定量的に把握できるという旨味が、こちら側への迷惑に思いを致しても余るほどにあるのでしょう。さらには、そもそも回答する主体としてのこの私自身に〝No〟を突きつける勇気もないので、いつまでたっても事態にかわりはありません。

というわけで、きょうも無理を承知で5段階の指標化と格闘してみるのですが、忸怩たる思いはいつもの通り。せめてもの救いは、それでもなおさらのように無理を承知で記してきた回答内容を振り返り、仮初の一貫性や整合性を求めようとする無駄な試みからだけは自由でいる、そんな虚しい開き直りを、無言の抵抗として身に着けられたことでしょうか?

ただ、こんな実にあやふやで危うい回答ばかりでも、チリも積もれば何とやらで、何らかの傾向が発見されることはあるようです。とはいえそんなものは所詮、無理を押し通した末に姿を現した、虚の積み重ねの造形。これもまた、やはりどうにも迷惑で、眉唾なものでしかないと思わざるを得ないのです。

まあ、こんな愚痴を言っていられること自体、さほどのストレスもなく、能天気に暮らせている証なのでしょうけれど…。