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新島襄の夢

新島襄。同志社大学の創立者です。国禁を犯して脱国し、米国で学び、さらには欧州で見聞を広めた後に、日本でキリスト教主義の私立大学の創設に奔走しました。

誤解を恐れずに言えば、新島が目指したのは、自立した個々人によって形成される市民社会の確立であり、そのために欠かすことのできない、近代的な市民そのものの育成でした。キリスト教主義や良心教育を標榜したのも、このためです。

勝海舟からその完成を問われた新島は、二百年を要す(一説には三百年)と答え、信頼を得たと伝えられています。ですが、そんな同志社の創立から、すでに146年。日本社会の現状を見れば、残された年数は、あまりに少なく映る―そう感じられてなりません。