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これまでで1番私を魅了した文章

私は毎日あらゆる媒体で、人の書いた文章を読んでいる。

本や、ニュース記事、 Twitterなどに数多転がっている短いもの、このnoteだってそうだ。

プロアマ問わず人の書いた文章に大量に触れている。
皆もそうだと思う。意識せずとも他人の書いた文章に少なからず毎日触れているだろう。
ましてやこのnoteを使っている人は、きっと文章を書くことや読むことが好きな人達だと思うから余計に。

こうやって文章を読んでいると、『読みやすい文章』にも『読みにくい文章』に出会う。
それと同時に、『好きな文章』にも出会う。

なんだかこの人の書く文章は素敵だな〜って。

私は文章のプロなどでは全くないし、普段から文章の構成や文末表現などを研究しながら読んでいるわけでもないので、感覚の話でしかないのだが。



中学三年生の時、お小遣いで宮沢賢治の作品集を買った。
買った理由は、「自分の好きなアーティストが宮沢賢治を敬愛していたから」というだけである。

私の好きなアーティストは宮沢賢治を敬愛し、銀河鉄道の夜やよだかの星などに感銘を受けて作った作品を発表していた。


中学生の私は、宮沢賢治の作品を教科書で読んだ『注文の多い料理店』しか知らなかったため、興味が湧いた。

しかし、買ったはいいものの、なかなか読む気にならなかった。
というのも、中学生の私にはなんだか難しいような気がしたのだ。自分で決断して自分で買ったのに。

そのまま、買った作品集は1ヶ月ほど積読行きになっていた。しかし読まないのも勿体ないし、読めばあのアーティストの作品への理解も深まるかもしれない。

ようやく読んでみることにした。が、読み始めて驚いた。

優しく易しい書き口で、彼の独特の世界観が美しい言葉たちで紡がれていく。夢中になって読み進めた。
中には、設定が難解で理解するのに時間を要する作品もあったが、文章を読んで、あんなに言葉の美しさに感動したのは初めてだった。

宮沢賢治の作品は、悲しい結末で後味の悪いものも数多く存在する。先述の通り、設定が難解なものも多いため、どうやら好き嫌いも分かれるようだ。

しかしどの作品にも、彼の人柄が反映されているような、心が温まるあたたかい描写がある。
そして実際にその映像が見えてくるような、美しい風景描写も特長だ。
私はそれにひどく魅了された。

この人の描く世界観と、書く文章が好きだと心から思った。

私は未だにこの感動を超える文章に出会ったことはない。
もしかしたら中学生の私だったからこそ感じられたことだったかもしれない。


私はこれから先、あんな感動を味わえるような文章にまた出会えるだろうか。

私は今日も大量の文章に触れながら生きる。

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