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空の色や空気の表情

私は小さい頃から、空の色の変化や、空気の変化に人一倍敏感。
というかそれを見て、触れて、感じるのが好きだった。

とはいえ、それを自覚したのは割かし最近のこと。

小学生くらいの頃、友人に、「空が秋の色になってきたよね。」と言うとキョトンとされた事があった。

その時は大してそれを気にしていなかったのだが、季節ごとに変わる空の色や、季節の変わり目の空気の匂い、雰囲気、表情の話をすると、同じ熱量で分かってくれる人はほとんど居なかった。

むしろ、「不思議ちゃんだ」と、からかわれた。

この件で、皆が意外と空や空気の変化に興味関心が無いことや、なんなら感じ取ってすらいない人がいる事を初めて知った。

私にとって、空の色の変化や空気の表情の変化は、当たり前に感じるもので、皆が感じているものだと思い込んでいたし、毎年それを感じられることは嬉しいことだと思っていた。

だから、それを揶揄されたのは当時の私にとってはかなり衝撃で、ショックだった。

別に、そういったことに関心がなく、感じ取れないことを悪いと思っているなんてことは全くない。

ただ、ただ、驚きだった。

それから私はこういう話を自分からはしなくなった。


でも、他人に言わないだけで、これを敏感に察知する感性をもっていて良かったなとは思う。

春の、薄くクリーム色っぽいフィルターがかかったように霞んだ空も、
夏の、元気な濃い水色の空も、
秋の、少しグレーを足したような色の空も、
冬の、澄んだ深い群青の空も、

これら全てが季節を感じさせてくれるし、見ただけで、季節の風が吹いてくるような気がする。

そして季節の変わり目は、季節の変わり目の風が吹く。匂いがする。雰囲気や表情が変わってくる。

「今年もこの季節が来たな」と思わせてくれる。

空は天気でしか変化しないわけでは無い。

季節の変化は湿度や温度だけではないし、花や虫や紅葉や雪だけではない。

季節の変わり目を感じる匂いも、季節ごとに湿度や温度で違う風の肌触りも、五感全てで季節を感じている気がして大好き。

四季のある土地に生まれて良かった。
そしてそれを敏感に感じ取れる感性をもっていて良かった。

私が唯一、自分で自分を認めて愛せる部分だ。

いよいよ空が冬本番の色になってきた。
12月に入ったのにまだ暖かくて変な感じ。

今年の冬はどんな風に過ごそうか。

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